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感情の萌芽にあたる仕組みは、地球上に哺乳類が現れたころにはすでに、人類の祖先に備わっていたことでしょう。
感情は、生きのびるのに必要な機能として、生物進化の歴史をとおして、徐々に積み上がってきたのです。
捕食者から逃げる「恐怖」は比較的早い段階で、人類の祖先の動物の身につきました。
そして、個体の上下関係を形成する「怒り」や「おびえ」は、群れを形成するようになった段階で身につきました。
人間として進化した段階では、協力集団が築かれ、それを維持する役割を担う「罪悪感」や「義理」などの、複雑な感情が進化しました。
本書ではさまざまな具体例をもとに、感情の働きを明らかにします。
そして、感情が私たちに備わった生物進化の歴史を考えます。
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Posted by ブクログ
感情。
そう聞くとマイナスなイメージを持つ方も多いだろう。
仕事やプライベートでもよく、「感情的になるな」と注意される。
怒りや悲しみ、不安は無いほうが楽に生きられる。
ただ、この本では、人がサルと違い、進化できたのは
感情によるものだとしている。
「不安とはばくぜんとした恐怖が持続する状態だといえます。狩猟採集時代に人間の想像力が高まり、今ここに直面する事物以外に、創造物に対しても恐怖をいだくようになったのです。『今ここ』のみに生きている、他の動物にはあまり見られない感情なのです。」(P.40)
人間は「今ここ」だけでなく、過去や未来に対して考え、感情をいだく。
それは時として、マイナスにも働く。
しかし、人間は過去から学ぶことができるし、未来に希望を持つこともできる。
感情を頭ごなしに否定することに異議を申し立てたい。
Posted by ブクログ
最近、感情的に振舞ってしまう自分に気づき、後悔することがしばしばあります。
どうやって自分の感情をコントロールしようかと考えていたところ、興味深い題名の本があったので、手に取ってみることにしました。
「進化心理学」という学問分野があるのですね、この本を読んで初めて知りました。
人間の脳の構造は、「古い脳」「新しい脳」に区分され、感情は「古い脳」を中心とした働きであること。
そして「古い脳」について、人間の進化の過程を踏まえて、「ジャングル由来の心」と「草原由来の心」に分けて考える。
それぞれの環境で生き延びてきた人類が、「どのような精神反応を示せばより、生き残りやすかったか」という視点で、人間の感情を説明する。
以上のようなことが、この本の骨格であると理解しました。
人間が感じる「恐怖」「愛情」「幸福」などの主な感情について、ケーススタディーを起点に、説明しています。
特に印象に残ったのは、「怒り」などのマイナスと思われる感情が、実は人類社会に貢献しているという説明。
「解釈次第なのでは?」と疑問に思う部分もありましたが、確かに、「生き残る」という究極の目標を起点に考えると、人間の感情それぞれに合理的な理由があっておかしくないなあと、理解しました。
怒りや不満の感情を抱いている自分に気づいたら、「これはこういう理由だったな」と思いだして、心の平穏を保ちたいと思います。
Posted by ブクログ
人間の心を文明発祥以降の理性を中心とした「文明固有の心」、動物の時代に形成された感情を中心とする「野生の心」に大別し、更に「野生の心」をおもにジャングルで生活していたころ身につけた『ジャングル由来の心』と人類とチンパンジーがの共通祖先が分岐した後に形成された『草原由来の心』に二分する。
そして、恐怖と不安、怒りと罪悪感、愛情と友情、好きと嫌い、嫉妬と後悔、自己呈示と承認、楽しさと笑い、悲しみと希望、信奉と懐疑心、驚きと好奇心、名誉と道徳観、幸福と無力感について、それぞれどの心か、そしてそれが人間の進化にどのように寄与したかを論じます。
ここでは、人類の進化というとてつもなく長いタイムスパンについて論考していますが、一人の人間の成長も子供だった頃の感情を理性で覆って大人になるので同じことではないだろうか。自明性に閉ざされた日常のなかで感情を押し殺しているのが現代の特に日本人のように思う。
もっと、若かった頃、子供だった頃のように感情に揺さぶられながら生きても良いんじゃなかろうか。
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