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二ツ森伝次郎たち“戻り舟”同心は憤っていた。一件の子供の拐かしから、残忍な人買い組織を五十年間野放しにしていた疑いが浮上したのだ。やがて、伝次郎の右腕・鍋寅の死んだ倅・吉三が、その存在に気付いていたと知る。御用聞きとして一人真相を追い、志半ばで斃れたのか…。子供たちと吉三の無念を晴らすため、捕物に命をかける熱い爺が、弔い合戦の火蓋を切る!
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Posted by ブクログ
二ツ森伝次郎たち「戻り舟同心」の活躍が知れるようになり江戸町民から直接願われることも増えてきた。 偶然人攫いの場面に遭遇したことから、長い年月にわたる子供の誘拐、それも肝を薬にするために裕福な家の子供を攫う犯罪グループが存在することが判明。 伝次郎の相棒、鍋寅の息子、吉三が生前一人捜査をつづけてい...続きを読むたことも。 大掛かりな捕物が始まった。 ますますパワフルで誰も止めることができない、伝次郎たちが大活躍!ジジイ達の熱い捕物事件簿。
伝次郎親子の連係で事件を解決
元御用聞きの多助は77歳の隠居の暮らしだが、嘗て捕り物の取り調べで無実の人を誤って島送りしたことを非常に悔いていた。流人船が出る船番所辺りに来ては腰を下ろして、海を眺めて罪滅ぼしの日々を過ごしていた。そんな折、家路に着く途中、子どもの拐かしを目撃し、犯人を追いかけたものの、年寄りの体には尾行すら辛い...続きを読む。そこにちょうど通り掛かったのが永尋掛りの二ツ森伝次郎たちである。 犯人の夫婦連れは逃がしてしまったが、子どもは取り戻してなんとか命を救った。 奉行所に連絡を入れて、担当を伝次郎の息子の新治郎に引き継いだ。 その翌日、伝次郎はいつものように町廻りを東海道大門方面へと始めるのだが、金杉橋近くの手習所から子ども達が出てくるのが目に付いた。昨日の事もあり、その手習所に聞き込みに入った。真面目な師匠と面会したのだが・・・ 伝次郎の勘の働きが鋭く、その師匠は25年前、85両の金を盗んだ昔たばこ屋の佐太郎というお尋ね者だった。 手習所の家の持ち主、畳表問屋「名張屋」から聞き取りをする中、名張屋の倅も、21年前この辺りの大火で行方知らずになったことが判明する。そしてこのような事件は、28年前に3人、49年前に3人が被害に遇っていた。いずれも行方知れずのままである。もっともそれだけでは済まない。数年間隔で拐かしが起きている可能性が浮かんできた。奉行所と番所の連絡不足が原因で、犯罪として報告されない事件が多くあるらしい。そして伝次郎の相棒、鍋寅の息子吉三がその探索に当たっていた。吉三は病になり道半ばで倒れたのだが。 大火事が多い江戸。それが逆に盲点となり、拐かし事件に利用されている。更に、その裏には大がかりな組織が動いていることが浮かんだ。今こそ事件の解明に南町奉行所の力量が問われているのであった。
#感動する
シリーズ三作目の長編。 子供をかどわかして生きた肝を取って薬にするという、なんともグロな話。 永尋ね班が拡充されていくが収拾つくのかな。
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戻り舟同心
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長谷川卓
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