重力と恩寵

重力と恩寵

1,155円 (税込)

5pt

「重力」に似たものから、どうして免れればよいのか? ――ただ「恩寵」によって、である。「恩寵は満たすものである。だが、恩寵をむかえ入れる真空のあるところにしか入っていけない」「そのまえに、すべてをもぎ取られることが必要である。何かしら絶望的なことが生じなければならない」。真空状態にまで、すべてをはぎとられて神を待つ。苛烈な自己無化の意思に貫かれた独自の思索と、自らに妥協をゆるさぬ実践行為で知られる著者が第二次大戦下に流浪の地で書きとめた断想集。歿後に刊行され、世界に大反響を巻き起こした処女作。

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重力と恩寵 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年03月14日

    2023/3/5(3回目)
    「苦しみがなくなるようにとか、苦しみが少なくなるようにとか求めないこと。そうではなく、苦しみ によって損なわれないようにと求めること」辛くて苦しんでいたときに恩師から言われた言葉
    「どうか、わたしは消えて行けますように。今わたしに見られているものが、もはやわたしに見られ ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年02月07日

    何か一つの宗教を信じることは他の宗教を否定することになると思っているので、彼女の言う「神」を、真理やら世界やらに言い換えてから読んだ。宗教には明るくないのですが。

    最近色々と考え実行してみたりしていることを、彼女も考え実行していたことをちょっと嬉しく思い、彼女がもっと遠いところにいることを目標にこ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2014年01月24日

    主人が奴隷を作り奴隷が主人を作るという意味において、ヴェイユはきっと正しさの奴隷だったのだろうと思う。ここまで透徹している人間が生き易いわけはないけれど、この本は私の生き易さの指標になると同時に生きにくさの補強にもなったと思う。

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    Posted by ブクログ 2013年10月28日

    心を抉られるような表現からドキッとするところもあるけれど、心洗われる哲学。良くも悪くもその程度しか理解できなかった。色々な関連書を読んでもう一度戻ってきたい。

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    Posted by ブクログ 2012年05月01日

    人に対して「透明感」という言葉を使うのはまず好意的な感情からだと思う。僕もシモーヌ・ヴェイユという人の深く澄まされた知性に、憧れや好意を感じる。
    しかしそれにしても、いくらなんでもこの人の透明感は、度が過ぎている。水清ければ魚棲まず、ではないが、突き詰められた「聖」性は汚く図太く生きる生命力の対極の...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年09月24日

    一周(よりちょっと手前くらい)すると辿り着く本。

    次のステップに辿り着く(一周する)為には、是非ガウタマ・シッダールタ(ブッダ)とのセットでどうぞ。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    ギュスタヴ・ティボンがヴェイユのカイエを編集して出したもの。ヴェイユの(一応)処女作品。訳は田辺保。
    鏤められた真理を鋭くついた言葉達。箴言集のようなもの。

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    Posted by ブクログ 2024年03月03日

    断章集だったのもあって読み終わるのに4ヶ月くらいかかった

    自分も、自分の思想も、消えて見えなくなって欲しいと願ったところに彼女らしさを感じる
    何かと比較した時の善は社会的な利益しか得ないってところは共感だけど、逆にそうじゃない善なんて僕は出来ない

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    Posted by ブクログ 2013年03月08日

    凄まじい。彼女がノートに書き綴った箴言の数々を死後編纂して出版された本書は、どれも信仰への確信と悲痛なまでに苦しみを受け入れようとする決意に満ちている。その余りにも高尚なストイックさに最初は距離を感じたが、著者の人生を知って納得がいった。ユダヤ人の家系に生まれ哲学科の教師になるも、病弱で偏頭痛に悩ま...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    生きることはひとつの思想である。そして、死もまたひとつの思想である。神によりよく遣えるものは、必ず神の裏切りに逢う。なぜならば、神は人が神の力にすがって生きることを望んでいないから。そう信じて、無神論者こそがよりよく神の教えに遵う者だと言い切った、異端の人。貧困のものが自分の糧をたよって、その財を盗...続きを読む

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