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連合艦隊が勝利した最大の要因は軍事技術の合理的で正確な運用にあった。日本は近代砲術の基礎となる「斉射法」を世界に先駆けて用いただけでなく、独自の砲術計算によって精度を高めていったのである。その後の海上決戦の範となった日本海海戦の全貌を検証し再現する。『坂の上の雲』では分からない日本海海戦の真実!
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Posted by ブクログ
久しぶりに面白い本読んだ。 司馬遼太郎の小説が史実と誤解され、乃木希典を筆頭に低い評価しかされない先人の名誉回復と(恐らく)歴史の真実の把握という意味で非常に良い本だと思う。 小説の主人公の行動を元に戦略論や人生論を語るのは大間違い。要注意。 2005年の本なので最新というわけではないが、初めて聞く...続きを読む話の連続。連結機雷にマハンと秋山の評価も面白い。関連本を読み直ししなくては。
「「坂の上の雲」では分からない日本海海戦」というタイトルで出版された本の文庫版です。 ただし、本書がとりあげているのは日本海海戦だけではありません。普墺戦争にともなっておこったリサ海戦や、米西戦争における海戦などに言及し、近代における海戦の発展を叙述したうえで、黄海海戦と日本海海戦における日本の勝...続きを読む利が、どのような歴史的文脈のなかで理解されなければならないのかという問題について考察をおこなっています。 著者は、司馬遼太郎の『坂の上の雲』における叙述が、日本海海戦の真相と異なっていることを指摘し、歴史の真相を明らかにするというスタンスをとっています。ただ著者の司馬に対する批判は、いわゆる「司馬史観」と呼ばれる、近代日本のあゆんだ歴史についての見かたにまでおよんでいるところがあります。 著者も、明治維新から日露戦争までの間と、1945年から現在までの日本が「おそらく成功した国だろう」と述べる一方、「その間については、失敗したことは否めない」と主張します。この点では、著者と司馬の近代日本に対する評価は一致していますが、たとえば軍縮会議をめぐる「条約派」と「艦隊派」の対立にかんして著者は、「根本には、海軍は誰のものか? 海軍軍人は何のために戦うか? という問いがあった」として、条約派の井上成美の考えを批判しています。このような記述からも、著者の司馬批判のほんとうの焦点は、日本海海戦の歴史的事実以前のところに向けられているのではないかと感じます。
読後メモ。 東郷もロジェスウェンスキーも戦えばバルチック艦隊が敗北することを予期していた。(主力艦の大口径砲数が決定的に違う) そのためロジェストウェンスキーはウラジオへの突破を現実的な目標としていた。 日本周辺の3海峡のどこを通るかは石炭機関の航続距離の短さから対馬海峡にほぼ限定されていた。(...続きを読む他の海峡を通ろうとすると、日本近海で石炭輸送船から洋上積み替えしなければならない。もし、積み替え直前に日本側と会敵して石炭船を撃沈されたらウラジオにたどり着けない。) なんか作者は「坂の上の雲」をアラ探しを楽しんでいるような印象。
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別宮暖朗
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