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「シュタイナー教育」や「人智学」で広くその名が知られるルドルフ・シュタイナー。だが、アカデミズムからは「胡散臭いオカルト」の烙印を押され、一方の受容する側にも、その思想への盲目的な追従、偶像化が見られる。本書は、彼が立脚した第一次大戦下ドイツの時代状況やドイツ精神史における思想系譜、歴史経維に広範な省察を加え、その生を内側から活写することで、「みずから考え、みずから生きること」への意志を貫いた「理念の闘士」の思想的核心を浮き彫りにする。
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Posted by ブクログ
極一般的な日本人がシュタイナーに触れる時、まず当時のヨーロッパ情勢やキリスト教観念、さらに日本人の宗教観念を学ぶところから始めなければならない。シュタイナーの著書を読む前のワンクッションに
シュタイナーの生きた時代背景を丁寧に説明してあり、いきなりシュタイナーを読むと誤解したり混乱したりするのを回避させてくれるであろう入門書。 わかりやすく、いわゆる「シュタイナーかぶれ」にならないような解説をしてあります。 読んで思ったのは、日本人には元々の意味での「オカルト」を受け入れている精神的...続きを読む土壌があったはずで、そういう世界をわかろうとしている人や自然に神様や精霊のことを考えられる人なら、「かぶれ」はしないだろうに、ということ。 キリスト教の神話の脆弱さみたいなものも感じた。
西平さんのシュタイナー入門もよいですが、こちらも素敵です☆シュタイナー思想をコンパクトに。オカルトチックな思想ではあるけど…結構ワクワクするんですよ☆
シュタイナーの生涯と思想について簡潔に解説している評伝です。 神秘主義的な傾向の強いシュタイナーの思想は、アカデミズムにおいては不遇なあつかいを受けていますが、彼の思想が20世紀初頭において多くの作家や芸術家たちに影響をあたえてきたことは事実であり、ヨーロッパ精神史においてはけっして無視することの...続きを読むできない思想家だといってよいでしょう。本書は、そうした観点からの検討を盛り込んだシュタイナーの入門書です。 もっとも、本書の全体がシュタイナーをヨーロッパ精神史のうちに位置づけるような議論にあてられているわけではありません。こうしたテーマが正面からあつかわれているのは「思想史の中のシュタイナー」と題された第4章のみです。とはいえ、著者はシュタイナーの神秘主義的な思想に惹かれながらもつねに冷静な眼を保ちつづけており、こうした著者のスタンスが本書をバランスのとれた入門書にしているといえるように思います。
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小杉英了
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