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太陽の輝き、朝のコーヒーの香り、小鳥のさえずり……私たちの意識は鮮やかな質感(クオリア)に満ち満ちている。物質である脳が、心の中に、そうしたユニークな感覚を生み出すのはなぜか? そして、すべてを感じる存在としての<私>とは何者なのか? 人類に残されたこの究極の謎を解きほぐす鍵は、他者との関係性の中でダイナミックに変化する脳の働きにある。気鋭の学者が、脳科学、認知科学、哲学の領域を横断する新しいアプローチにより難問に新境地を展開した画期的論考!
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Posted by ブクログ
人間はしょせんDNAから生成されているのでプログラミングで突き詰めていけば、人工知能は再現できるのではないか?と考えていたが、この本で、そんなに単純なことではないということが学べ、めちゃくちゃ参考になった。でも、弟と議論すると、それじゃできない理由としては弱いのでは?と納得させられなかったのが非常に...続きを読む悔しい。 脳がプログラムで再現できない理由は以下である。 ①ただの物質である脳から、どうして自意識が生まれるのか、については解明できていない。また、それは機能主義的なアプローチでは生まれない。 ②優しい問題(青があおだということ)と難しい問題(あなたが感じている青と私が感じている青とは本当に同じなのか)について認知のレベルを頻繁に変えながらコミュニケーションをとるはプログラムでの再現は難しい ③人間は客観的情報と主観的情報から行動する。チェスで人間に勝てるプログラムは作れても、勝利したことで喜びを感じるプログラムはどう定義するのか?そもそも定義できるのか? ④プログラムでのデータの保持の仕方は固定だが、脳のデータの保持の仕方は環境からのフィードバックを受け、絶えず生成されることで保持されるため、データの同一性が担保できないから。
茂木さんは、漠然としたぼんやりした問題を、わかりやすく、急がずゆっくり丁寧に具体的に、学問的な言葉ばかりでなく身近な日常の言葉で書いてくださるので、本当に毛穴からすいすい〜〜っという感じで、頭の中に向かってテレパシーで直接話しかけられているかのように、染み透る感じで理解できます。
脳科学から哲学的な領域に入った茂木さんの意識論。やはりクオリアに関する記述も多く、理解しにくいきらいもあるが子供の「ふり」に関する考察や痛くて泣くという行為は母(他者)にみられることで意味を持ち、見られていなければ意味を持たないといったことから導かれる「自己という同一性とは他者との関係性によって生み...続きを読む出されるもの」という考え方は、面白い話だと思います これは、仏教で言うところの縁起の思想そのものだと思われ、最新の脳研究の知見を考察した茂木さんからも2500年まえの釈迦の思想が導かれる不思議が面白い。
なぜ、脳という物質のふるまいに伴って、私達の意識が生まれるのか? 「私」が「私」であることの不思議さ。 誰しもが幼い頃から何となく抱いている、だけど何となくうやむやにしている、 この本は、そんな疑問に分かりやすく応えてくれています。 私が生きている間に「クオリア」がどのように生まれるか解明されるかな...続きを読む。 多分無理だろうな…。 関係ないですが、科学者ってモーツアルト好きな人多い、と思いました。
<私>(意識)について、科学的に把握していくために必要な情報を入手できたように思う。意識についての問題意識を持つことができてよかった。系統的理解には程遠いので、今後研究していきたい。脳が意識を形成することで、・クオリアを認知できる、・クオリアの本質理解を試行できる、・クオリアの簡潔認知を実施する、・...続きを読む他者との関わりを通して意識は劇的に変化する、 クオリアのユニークさを維持し、意識の同一性が保持される は参考になった。
最初のうちは、分かっていながらもなかなか言葉に出来ないことが、”クオリア”として表現されることで、スッキリした気分を味わえた。読み進むにつれて、同意反復が気になってくるというか、”クオリア”に関する解釈を、ひたすら言葉を変えて繰り返しているだけに思えて、だんだん辛くなってきました。もう少し厚みが欲し...続きを読むいというか、一冊の書として纏めるには薄いというか。正直、学術論文くらいの長さで纏まっていた方が、インパクトも高まると思うし、ニュアンスもより良く伝わったんじゃないか、と思えてしまいました。
異色の脳科学者である著者が、意識とは何かという問題を解決するための糸口を示そうとしています。 著者は、チャルマーズにならって、「やさしい問題」と「むずかしい問題」を区別しています。本書での「やさしい問題」とは、クオリアなどの問題を、脳生理学であれ社会学であれ機能主義的な観点から説明することで解決で...続きを読むきるものです。他方「むずかしい問題」では、たとえば現象学のような立場から、クオリアや「私」の固有性を突き詰めていくことが求められます。 その上で著者は、「やさしい問題」と「むずかしい問題」を切り離すことなく、両者のつながりを見いだすことをめざします。著者は、ミラー・ニューロンの発見や他者理解における「心の理論」の重要性などに触れながら、私たちがさまざまな場面で「ふり」をする能力を駆使していることを明らかにします。そして、「むずかしい問題」として立ち現われてくるさまざまなクオリアを「やさしい問題」として処理することで私たちの社会生活が成り立っているのは、この「ふり」をする能力と関係しているのではないかという見通しが示されています。 さらに、私たちの脳の中の電気的な布置状態は、一瞬たりともとどまることなくダイナミックに変容しつつあることに触れ、そのような脳のあり方にも関わらず、「私」が「私」であることや、「あるもの」が「あるもの」であることといった種々の「固有性」が成り立っていることが説明されなければならないと主張しています。そしてこのことが、「やさしい問題」が成り立つための前提だと論じられています。 著者の「クオリア」という言葉の使い方に若干違和感を覚えるところがありますが、おおむね興味深く読みました。
クオリアの解説。感覚の説明を言葉で分かりやすく。 <あるもの>が<あるもの>であること。なぞなぞのようだが、最も適した表現である。言葉とクオリア、言葉は共有できるが、クオリアは感覚であるので、共鳴か?共振か? 感覚の揺らぎ=ファジーであること。 「ふり」をする能力、感じでは振り、降り、 ミラーニュー...続きを読むロンとは、クオリアを伝える、行動である。同一の機能である。
[ 内容 ] 太陽の輝き、朝のコーヒーの香り、小鳥のさえずり…私たちの意識は鮮やかな質感(クオリア)に満ち満ちている。 物質である脳が、心の中に、そうしたユニークな感覚を生み出すのはなぜか? そして、すべてを感じる存在としての「私」とは何ものなのか? 人類に残されたこの究極の謎を解きほぐす鍵は、他者...続きを読むとの関係性の中でダイナミックに変化する脳のはたらきにある。 既存の科学的アプローチが解明できずにきた難問に新境地を展開する画期的論考。 [ 目次 ] 1 心と脳のミステリー―クオリアと同一性(「私」の心をめぐる問題 「あるもの」が「あるもの」であること 「同じこと」と「違うこと」) 2 「私」というダイナミズム―コミュニケーションと生成(やさしい問題とむずかしい問題 「ふり」をする能力 コミュニケーションから生まれるもの) 3 意識を生み出す能―「私」とクオリアの起源(「私」の生成とクオリアの生成 意識はどのように生まれるか 生成としての個を生きる) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
平易に記述されている中で、尋常ならざる難しさが垣間見えます。したがって、本の内容はよくわかっても、その内容の本質はほとんどわからない。上辺だけをなぞったという感じでしょうか。そして上辺だけをなぞるのは、現時点では致し方がないのでしょう。 『クオリア入門』よりは、読みやすかったですね。
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