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池波正太郎のエッセイには――男の本音がある、人生がある、生きる楽しみを享受する男のリズムがある。作家への道を拓いた幼き日の観劇の一日、手と躰で物を造る感覚を養った旋盤工時代、行きづまった小説の結末を見いだしてくれた飼い猫ネネの話、映画のこと、衣食住について、現代人の見失ったもの、仕事の裏ばなしなど……。手練の切れ味を見せる“とっておきの51話”。
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Posted by ブクログ
池波さんのエッセイの中でも大好きな一冊です。読むのは三度目、でも毎回諭され、気づかされる。池波さんの言う通り平成20年後半のこの国はいけない国に成りつつあります。 もう、間に合わないかもしれませんね。恥ずかしいことです。
再読。いろいろなエッセイ集に再録された文章が含まれているが、全部読み通したのは久しぶり。 映画の話題は楽しい。
千何百枚もの年賀状を自筆で書かれた池波正太郎さん、夏頃から書き始めたとか。「日曜日の万年筆」、1984.3発行。①芝居の幕間に、中年婦人が男性便所(大用)に飛び込む。私も女性が隣りのトイレに入ったときの息遣いなど、アメリカで、釧路で、緊張した記憶が残っています。②著者が心がけたのは「物事に期待せず...続きを読む、自分の仕事の質をみがいていく」こと ③別れの挨拶を交わし、双方の姿が見えなくなるところで、たがいに振り返り一礼を交わし合う。
いつの時代も、最近の若い者はとか、やな時代になったものだ、とかそういうわけだ要するに。食いしん坊で酒飲みだということで気になる作家だったけれど、劇作家上がりというのは知らなかった。『辛い状況でも熱いお味噌汁をすすって、あ、美味い、と思うとき生きがいを感じるものだ』(概要)。時代物も読んでみたいいつか...続きを読む。ただ多いんだよねー、鬼平しかり梅安しかり。
池波正太郎さんの連載を本にしたもので、池波さんの様々な生きざまや経験など多岐にわたって披露してくださるコラム的エッセイ。 生きてこられた昔の事や若いころの生い立ちや生きていく上での信念のようなものやこうあるべきという私たちへの伝言のような気持ちで読みました。 流石池波先生だなと読み終わった後すがすが...続きを読むしい気持ちになりました。
池波正太郎は小説の他に数多くのエッセイも書いていますが、その中から食に関するエッセイを集めたのが本書です。「食の歳時記」と称して1月から12月までの各月の美味しいものや、東京の下町で過ごした子供時代のエピソード、はたまた小説における食事シーンについてなどが書かれています。 本書に登場する食べ物は、活...続きを読む字にも関わらず本当においしそうで、一編一編が短いので、夜のリラックスタイムに読むことが多いのですが、お腹がすいてしまうこともしばしば。 料理屋で食べるのもそうですが、自身で料理して食べることもあり、食へのこだわりが強く感じられました。 >人間は、生まれると同時に、確実に[死]へ向かって歩みはじめる。その[死]への道程をつつがなく歩みきるために、動物は食べねばならぬ。 これほどの矛盾があるだろうか。 戦前には旬のものを食べ、戦中戦後は食べることが困難だった時代を経たからこそ、言い切れるのだと思いました。
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