ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
3pt
なかなか開かなかった茶箪笥の抽匣(ひきだし)からみつけた銀の匙。伯母さんの無限の愛情に包まれて過ごした日々。少年時代の思い出を中勘助(1885-1965)が自伝風に綴ったこの作品には、子ども自身の感情世界が、子どもが感じ体験したままに素直に描き出されている。漱石が未曾有の秀作として絶賛した名作。改版。(解説=和辻哲郎)
ブラウザ試し読み
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
古い木箱から見つけた銀の匙をきっかけに、幼い頃の記憶が語られる。 子どものころの世界の見え方、考え方が、大人が思い出しながら話すそれとは違い、本当に子ども心に語られているよう。 前に読んだ『センス・オブ・ワンダー』に近い印象を持った。 子どものころには、子どもにしか感じられない世界がある。 周りのも...続きを読むのに一々感動したり、悲しんだり、驚いたり。 大人になるにつれ、色々なものを知る中で、そうした感動は薄れていく。 私は息子と度々山登りをするが、いかに大人の私とは見ているものが違うかを実感する。 変わった形の枝、街では見かけない虫。 そうしたものに逐一足を止め、「パパ見て!」と呼ぶ。 大人であっても、そんな驚きや感動に満ちたこの世界の一端を、見逃さないように生きていきたいと思う一冊だった。
読んでいる間、幸福な時間でした。 春夏秋冬の一場面を映し出す、芸術的な日本語。 息を飲む表現の数々に酔いしれました。 静かな空間、想像力と集中力を用意して読む本。 小説というより芸術作品、映像、絵画を見る感覚に近い。 唯一無二の日本文学、一番好きな本のひとつ。
前篇で特におもしろかったのは「お蕙ちゃん」との顛末で、後篇では伯母との再会や、友人の「姉様」との経緯が心惹かれた。
何が起こると言うわけでもなく、確かに変化していく少年の日々が描かれている。 流れる水を見ているようにぼんやり読んだ。
読み始めると読み耽ってしまう幼少期の細かく綺麗な心理描写。 いま咲くばかり薫をふくんでふくらんでる牡丹の蕾がこそぐるほどの蝶の羽風にさえほころびるように、ふたりの友情はやがてうちとけてむつびあうようになった。 私はまた唱歌が大好きだった。これも兄のいる時には歌うことを許されなかったのでその留守のま...続きを読むをぬすんでは、ことに晴れた夜など澄みわたる月の面をじっと見つめながら静な静な歌をうたうといつか涙が瞼にたまって月からちかちかと後光がさしはじめる。
子供の頃の思い出を子供そのままの瑞々しい感性で綴った私小説。病弱な幼少時代の前編と就学後の後編からなるが、いずれも人見知りで感受性豊かな筆者の体験は何処か懐かしい。毎年読み返すたびに「すべてのものはみな若く楽しくいきいきとして、憎むべきものはひとつもない。」そんな風景が当たり前であった過去を思い出し...続きを読む、大人になって失ったものの大きさを振り返る。
2020.7.22 体が弱いことからこの時代にしては甘やかされて(実際にしょっちゅうお菓子やらおもちゃやらを買ってもらえているのでそれなりにお金がある家と思われる)育ったのに、そんなに傲慢にならず感受性豊かに育った主人公の話。 前半は子どものころ面倒を見てくれた伯母とのやりとりがほとんどだが、文...続きを読む体が流麗で景色がありありと浮かぶ。現代語訳ではないけれど昔すぎないのでよく読めば意味は十分わかる。当時の流行り物やかけあいもおもしろく笑ってしまうところも多々あり、原文だからこそ伝わるものもあると思った。 日清戦争あたりの描写や「兄」に代表される、画一的でダイバーシティを良しとしない、「戦時下の日本」のような日常にたいして、男なのに星を見たりきれいな貝を拾ったり仏教的な慈しみに関心を示してしまう主人公。生まれた時代が遅すぎたか(平安時代だったら良かったのに)、または早すぎたか(2015年以降なら良かったのに)と思った。 とくに「あらすじ」はないけれど、読むとはまってしまいほろりとする、不思議な作品だった。
著者の自伝的なお話だそうです。最初の方は少し退屈しましたが、だんだん面白くなってきました。いじめられっ子だったのが少しいい調子になった時には「あるある」と思いました。読んでいくうちに夏目漱石の「坊っちゃん」が好きな人は好きなのかなと思っていたら、巻末の解説で夏目漱石から絶賛された、とあり驚きました。
著者が幼少の頃の思い出が書き綴られている。本書はストーリー性、哀愁、教訓といったものを期待して読むものではなく、美しいものを鑑賞するように読むべきものである。 解説でも書かれているように、本書に描かれているのは著者が幼少の頃の視点の記憶でもなく、大人が想像した少年の視点でもない、少年の視点そのもので...続きを読むある。子供がもつ目一杯に開かれた感受性が捉えた花鳥風月の描写が美しい。主人公の繊細な気質が相俟った子供の内面の描写も美しい。
大人になっても捨てられない銀の匙 虚弱な赤ん坊だった彼は それを用いて漢方薬を飲まされていた 母から聞いたその頃のエピソードをとっかかりに 幸福な少年時代が回想される 虚弱だったもんで伯母さんに甘やかされており 乱暴な男の子たちのことは憎んでいた それで、よその遊び相手といえば専ら女の子であった し...続きを読むかし成長するにつれ 虚弱なままでは女の子にも相手されないということに気づく それでだんだん活発な子供へと自分を変えていった 他の男の子と喧嘩もできるようになった ところが時は流れて奇妙なことに いつしか女性とまともに喋ることもできない若者となっていた そんな皮肉でこの話は終わる
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
銀の匙
新刊情報をお知らせします。
中勘助
フォロー機能について
「岩波文庫」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
母の死
「中勘助」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲銀の匙 ページトップヘ