銀の匙

銀の匙

715円 (税込)

3pt

なかなか開かなかった茶箪笥の抽匣(ひきだし)からみつけた銀の匙。伯母さんの無限の愛情に包まれて過ごした日々。少年時代の思い出を中勘助(1885-1965)が自伝風に綴ったこの作品には、子ども自身の感情世界が、子どもが感じ体験したままに素直に描き出されている。漱石が未曾有の秀作として絶賛した名作。改版。(解説=和辻哲郎)

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銀の匙 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    古い木箱から見つけた銀の匙をきっかけに、幼い頃の記憶が語られる。
    子どものころの世界の見え方、考え方が、大人が思い出しながら話すそれとは違い、本当に子ども心に語られているよう。
    前に読んだ『センス・オブ・ワンダー』に近い印象を持った。
    子どものころには、子どもにしか感じられない世界がある。
    周りのも

    0
    2025年07月29日

    Posted by ブクログ

    読んでいる間、幸福な時間でした。

    春夏秋冬の一場面を映し出す、芸術的な日本語。
    息を飲む表現の数々に酔いしれました。

    静かな空間、想像力と集中力を用意して読む本。
    小説というより芸術作品、映像、絵画を見る感覚に近い。

    唯一無二の日本文学、一番好きな本のひとつ。

    0
    2024年08月29日

    Posted by ブクログ

    前篇で特におもしろかったのは「お蕙ちゃん」との顛末で、後篇では伯母との再会や、友人の「姉様」との経緯が心惹かれた。

    0
    2024年05月18日

    Posted by ブクログ

    何が起こると言うわけでもなく、確かに変化していく少年の日々が描かれている。
    流れる水を見ているようにぼんやり読んだ。

    0
    2022年01月10日

    Posted by ブクログ

    読み始めると読み耽ってしまう幼少期の細かく綺麗な心理描写。
    いま咲くばかり薫をふくんでふくらんでる牡丹の蕾がこそぐるほどの蝶の羽風にさえほころびるように、ふたりの友情はやがてうちとけてむつびあうようになった。

    私はまた唱歌が大好きだった。これも兄のいる時には歌うことを許されなかったのでその留守のま

    0
    2021年09月12日

    Posted by ブクログ

    子供の頃の思い出を子供そのままの瑞々しい感性で綴った私小説。病弱な幼少時代の前編と就学後の後編からなるが、いずれも人見知りで感受性豊かな筆者の体験は何処か懐かしい。毎年読み返すたびに「すべてのものはみな若く楽しくいきいきとして、憎むべきものはひとつもない。」そんな風景が当たり前であった過去を思い出し

    0
    2021年08月28日

    Posted by ブクログ

    2020.7.22
    体が弱いことからこの時代にしては甘やかされて(実際にしょっちゅうお菓子やらおもちゃやらを買ってもらえているのでそれなりにお金がある家と思われる)育ったのに、そんなに傲慢にならず感受性豊かに育った主人公の話。
    前半は子どものころ面倒を見てくれた伯母とのやりとりがほとんどだが、文

    0
    2020年07月22日

    Posted by ブクログ

    著者の自伝的なお話だそうです。最初の方は少し退屈しましたが、だんだん面白くなってきました。いじめられっ子だったのが少しいい調子になった時には「あるある」と思いました。読んでいくうちに夏目漱石の「坊っちゃん」が好きな人は好きなのかなと思っていたら、巻末の解説で夏目漱石から絶賛された、とあり驚きました。

    0
    2024年10月22日

    Posted by ブクログ

    著者が幼少の頃の思い出が書き綴られている。本書はストーリー性、哀愁、教訓といったものを期待して読むものではなく、美しいものを鑑賞するように読むべきものである。
    解説でも書かれているように、本書に描かれているのは著者が幼少の頃の視点の記憶でもなく、大人が想像した少年の視点でもない、少年の視点そのもので

    0
    2023年12月11日

    Posted by ブクログ

    大人になっても捨てられない銀の匙
    虚弱な赤ん坊だった彼は
    それを用いて漢方薬を飲まされていた
    母から聞いたその頃のエピソードをとっかかりに
    幸福な少年時代が回想される
    虚弱だったもんで伯母さんに甘やかされており
    乱暴な男の子たちのことは憎んでいた
    それで、よその遊び相手といえば専ら女の子であった

    0
    2022年05月12日

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