人もいない春

人もいない春

462円 (税込)

2pt

小さいころから執念深く、生来の根がまるで歪み根性にできている北町貫多。中卒で家を飛びだして以来、流転の日々を送る貫多は、長い年月を経てても人とうまく付き合うことができない。アルバイト先の上司やそこで出会った大学生、一方的に見初めたウエイトレス、そして唯一同棲をした秋恵……。一時の交情を覆し、自ら関係破壊を繰り返す貫多の孤独。芥川賞受賞作『苦役列車』へと連なる破滅型私小説集、待望の文庫化。

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人もいない春 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    毎回主人公がクズすぎて安心して読める。
    バイトの大学生にでかい顔をしすぎて分断工作を受けて反旗を翻されるような矮小さは自分の中にもあるので、自分の恥部を見させられているようなマゾヒスティックな爽快さがある。
    古めかしい文体と今の言葉のギャップを「ここで笑え」といわんばかりに埋め込んでくるがそれがおも

    0
    2019年12月24日

    Posted by ブクログ

    「人もいない春」
    まだ10代の頃(17歳くらい?)の
    職場での失敗談から始まり
    生活を立て直そうとする物語。

    「二十三夜」
    失恋の失敗談の話し。

    「悪夢」
    珍しく、おそらく夢で見たものを書き起こした実験的な物語。

    「乞食の糧途」「赤い脳漿」「昼寝る」
    秋恵シリーズ。


    記憶のメモがわりにそれ

    0
    2024年03月13日

    Posted by ブクログ

    『やまいだれの歌』とかに比べるとちょっと弱い感じ。一編だけ寓話みたいな創作小説が収録されてて驚いた。私小説意外もあったんだ。

    0
    2023年10月25日

    Posted by ブクログ

    秋恵もの多め。同棲生活に忿懣を募らせながらも寸前でDVを思い止まる「乞食の糧途」や風邪をひいた秋恵を貫多が意気揚々と看病する「昼寝る」など貫多が時折見せる思いやりにはっとさせられる作品も。もうこの時点で読者も彼の術中にハマっているわけですね笑
    不器用なやり方で彼女を思いやる貫多の姿は微笑ましくもあ

    0
    2023年04月06日

    Posted by ブクログ

    相変わらずの貫多である。社会の最底辺を這いつくばる労働者の心理描写にはゾクゾクさせられる。酔っ払ってこのあと人を殺してしまうとか、恋人をボコボコに殴るのではとか身構えてしまうのだが、小心者の貫多のこと、そこまでの事件は起こらない。最後の秋恵との物語は貫多の振る舞いに嫌気がさすが、最後はうまくまとまっ

    0
    2022年05月13日

    Posted by ブクログ

    「今日はここまで」と、本を閉じるたびに、満ち足りた気持ちになりました。
    小説を読む悦びを、西村賢太さんの作品は十二分に味わわせてくれます。
    でも、何故なんだろう、と考える。
    だって、物語らしい物語があるわけではありません。
    アルバイト先での人間関係、同棲相手とのいざこざ、挙句、レストランにいるネズミ

    0
    2022年04月22日

    Posted by ブクログ

    数か月前に芸人のサスペンダーズ古川さんのnoteで日雇い日記を読んでたことを思い出して、読みたくなった西村さんの私小説。
    貫太の不器用ですぐ怒ったりするだめなところ、そしてそれをすぐ後悔するところ、それでもうまくできないところ、自分じゃないけど自分みたいでちょっと苦しくなった。最後、秋恵、ありがとう

    0
    2020年05月21日

    Posted by ブクログ

    西村賢太による貫多と秋恵モノが好きな人にはオススメ。西村賢太の独特なリアリティ、言い回しが溜まらない。こうした生き様そのものが作家であるタイプは日本には少ない気がするが、それではやはり説得力がないのだ。筆力には、作家の人生分、その重みが増すのだろう。

    0
    2020年04月18日

    Posted by ブクログ

    著者と同世代の人たちはバブルの真っ只中で青春を過ごしているはず。その世代における底辺の日常は実はいつの時代にもある。70年代の松本零士の「男おいどん」の世界も然り。人の生き方、生活は一様ではない。正解も理想もない。それぞれの世界でのやり方、生き方がある。

    0
    2019年05月08日

    Posted by ブクログ

    苦役列車から流れて読んでみた。
    相変わらずの貫多の大冒険物語。

    バイト先でのトラブル、
    知り合った女性とのいざこざストーリーが、
    やはりおもしろい。
    最低な人間だけど、人間くさい貫多。
    友だちには絶対なりたくないタイプとおもいつつも、その飾り無いゲス語りに、妙に共感出来てしまうところもあり、ぐいぐ

    0
    2018年08月25日

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