時が滲む朝

時が滲む朝

468円 (税込)

2pt

中国の小さな村に生まれた梁浩遠(リャン・ハウユェン)と謝志強(シェー・ツェーチャン)。大きな志を抱いて大学に進学した2人を、1989年の天安門事件が待ち受ける──。“我愛中国”を合言葉に中国を民主化しようと努力する貧しい学生たちの苦悩と挫折、そしてその後の人生。北京五輪前夜までの等身大の中国人を描ききった瑞々しい傑作。日本語を母語としない作家として、初めて芥川賞を受賞した楊逸(ヤン・イー)の代表作!

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    読書開始日:2021年10月5日
    読書終了日:2021年10月7日
    所感
    読みやすく、かつ面白く、好きな作品。
    大学生活とその後の生活で大きく2つに分かれる。
    学生運動や中国の政治について無知な自分にとって、勉強になることばかりであった。
    学生時代を思い返すと、「血より濃いもので、まるで火を噴く油」

    0
    2021年10月07日

    Posted by ブクログ

    第139回芥川賞受賞作品(2008年)。
    1988年の中国民主化運動に参加した主人公・浩遠と相棒の志強が辿った高揚と挫折と再生の物語。
    学生として参加した民主化運動と結果としての天安門事件。そして、全てが無に帰してもなおこだわり続ける民主化への想いに反して、経済大国化への道へ舵を切った中国。見切りを

    0
    2014年10月13日

    Posted by ブクログ

    天安門事件から二十数年が、経過。マスコミに取り上げられた革命家たちは、海外に亡命。しかし、そうではない名もなき革命家、民主化運動に参加した学生たちは、今、どうしているのか・・・。また、彼らが今のロシア、民主化された東欧諸国をどのように見つめているのか・・・。考えさせられる1冊。

    0
    2014年05月15日

    Posted by ブクログ

    一日で読んでしまいました。久しぶりに、心に感じ入るものがある小説でした。作者の気持ちが籠もった渾身の一作です。

    0
    2012年08月02日

    Posted by ブクログ

    中国人の視点による天安門事件。
    若い時しか出来ないことがあるんだなぁ・・・ジーっとそれだけを見つめることが出来る年齢というのは、愛おしい。

    0
    2012年07月24日

    Posted by ブクログ

    いい小説に出会った。主人公の浩遠がどうにもせつない。何事にも屈託なく飛び込んでいける友に対する引け目のようなもの、好意を抱いた相手がその友と仲を深めていくのを見ていなければいけないこと、何かを求めながらちっぽけな毎日で精一杯なこと……。そうでいながらも、学業に対して、国に対して、これほど熱い思いを抱

    0
    2011年02月16日

    Posted by ブクログ

    いつの世も時代に振り回されるのは、名も無き一般人。権力者や著名人は名前が残っても、最大の被害者達は歴史の表舞台に立つことは無い。それでも、一人一人が時代を生きている。

    学食の料理番や飲み屋の店主やタクシー運転手は日々を生きてゆかねばならない。家族を食べさせなければならない。学生達のエネルギーに熱く

    0
    2024年07月17日

    Posted by ブクログ

    日本に亡命、在住し芥川賞を獲得した中国生まれの著者による1989年の天安門事件を背景とした青春物語。地方都市の大学1年で主人公の梁浩遠と親友・謝志強は若手のキラキラ輝く甘凌洲教授の指導のもと、愛国心に燃えて民主化運動に参加した。白英露という積極的な女子学生にも出会う。しかし、民主化の期待は裏切られ、

    0
    2023年06月01日

    Posted by ブクログ

    天安門事件前後のお話。自分も生きていた時代の歴史なので、登場人物や時代背景を自らの若いころと照らし合わせながら読むことができた。作者の母語が日本語ではないということだが、不自然さはなく、情景を思い浮かべることができた。中国の歴史に興味がないと読みにくいかも。

    0
    2022年03月16日

    Posted by ブクログ

    浩遠と親友の志強は、希望に満ち学問に打ち込んでいた大学生活から民主化運動にのめり込んでいき、傷害罪で退学処分となる。
    夢見ていた未来とは違う道を模索しながら生きていく日々が描かれている。
    エネルギーを持て余した若者が熱に浮かされて突っ走ってしまったようで、せつない。
    彼らを突き動かした「祖国への愛」

    0
    2021年08月30日

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