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見た。愛した。闘った。すべては歌だけが知っている――。
飛鳥の動乱を生き抜いた万葉の歌人、額田王の激動の半生。
時は7世紀。飛鳥の世に生きた一人の女、額田王(ぬかたのおおきみ)は子まで成した大海人王子(おおあまのみこ)と別れ、その兄、葛城王子(かつらぎのみこ)の仕切る宮城で宮人として勤めに邁進する。誰かの妻や母としてではなく、一人の人間、歌詠みとして生きる道を模索するも、葛城の死、大海人の挙兵で運命は一転する。白村江の大敗、叔父と甥が争う壬申の乱......。動乱の飛鳥の世を生き抜いた万葉の歌人・額田王の激動の半生を鮮やかな筆致で織り上げた傑作歴史長編。
Posted by ブクログ 2023年07月08日
飛鳥時代、白村江の大敗から壬申の乱を歌を交えつつ、額田王視点で描かれる。
この小説の特徴は、額田王が色の識別ができない設定であり、葛城(中大兄)、大海人の異父兄の漢皇子の存在。
額田王が色がわからないというのは、史実かどうかはわからないけれど、色のわからない額田に「茜さす〜」の歌を読むことができるの...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年10月13日
政と戦。歴史的中心人物:天智天皇や天武天皇の側であまり語られることない活躍した人達の苦悩や葛藤、命懸けの活躍を、額田王が自身の行動力で鍛えられていく洞察力で語られるストーリー。壬申の乱闘う人達の必死さ恐れ怯えや絶望などなど表や裏や内心いろんなことが見事に想像でき、引き込まれました。
貴族の歌人とは優...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月27日
額田王の大海人の下を去ってからの澤田氏流伝記。
百済を助けるための船出から白村江の敗戦、近江への遷都、壬申の乱と歴史をなぞり、節目に額田王の歌を配して効果的だ。彼女の宮人としての矜持がお仕事小説的な雰囲気で、中大兄皇子に認められたい気持ちが恋のようだ。頑張っているのはわかるが、今ひとつ好きになれなか...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年01月26日
天智(葛城)、弘文(大友)、天武(大海人)、持統(讚良)の4代の権力闘争の渦中にいた額田王の半生を描いた物語。万葉集の十二首の長歌・短歌と日本書紀の「天皇、初め鏡王の女額田姫王を娶りて、十市皇女を生む」の記載以外史料のない額田王をジグソーのように歴史の隙間に嵌め込み新たな魅力を生み出すとともに「春す...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月06日
額田王の物語であるのだが、読み終えた直後の感想としては讃良王女の物語を読みたくなってしまっている。
葛城王子、額田王、中臣鎌足ら3人が追い求めた理想を、1人の思いが打ち砕いてゆくという破壊の物語になってしまうから、読後は良くないものになるのだろうけど。
彼女の野望を達成するだけの、ただそれだけに至...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年09月28日
飛鳥時代に生きた、額田王(ぬかたのおおきみ)を描く。
「大海人王子(おおあまのみこ)の妻となり、十市王女(とおちのひめみこ)を産む」
という、日本書紀の確実な記録のみを尊重し、澤田瞳子の額田像を作り上げている。
額田をめぐって、天智・天武が三角関係だった、とか、絶世の美女だった、とか、カリスマ歌人だ...続きを読む
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