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ずいぶん『三国志』について書いてきた。だが、そこに登場するひとりを選んで、大きな構想に移植するのは、これが最初であり、最後となろう。そのひとりとは、諸葛亮以外に考えられなかった――(日本経済新聞連載開始にあたっての「作者の言葉」より)
大河小説『三国志』全12巻完結からはや10年。この「作者の言葉」に、宮城谷作品ファンのみならず、日本中の歴史小説愛好家が期待をふくらませているに違いない。
「三国志」にはあまたの個性的な名将、名臣が登場するが、日本で最も名を知られるのが諸葛亮(孔明)であろう。冒頭の「作者の言葉」はこう続いている。
――かれの人気は、おそらく劉備や関羽などをしのいでおり、たぶんどれほど時代がかわっても、最高でありつづけるにちがいない。通俗小説である『三国志演義』が、諸葛亮を万能人間、いわば超人にまつりあげてしまったせいでもあるが、そういう虚の部分ををいでも、多くの人々の憧憬になりうる人物である――
「三顧の礼」「水魚の交わり」「出師表」「泣いて馬謖を斬る」「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」といった名言・名句はそのままに、諸葛亮の実像に迫ろうとするこの作品の冒頭はこのように始まる。
――春を迎えて八歳になった。かれは景観から音楽を感じるという感性を備えている――
乱世に生きながら清新さ、誠実さを失わない、今まで見たことのない諸葛亮がここにいる。"
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Posted by ブクログ 2024年04月05日
中国後漢〜三国時代。世は乱れ、群雄が割拠し覇を競っていた。
これは、群雄の1人、劉備に仕えて蜀漢建国に尽力し、三国鼎立実現の立役者となった諸葛亮の生涯を描いた伝記ロマン作品である。
なお下巻では、劉備の益州攻略の折り、本拠地の荊州を預かった 30 歳から、劉備の死後、北伐の途上にあって五丈原...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月19日
劉備が益州を取り、魏が後漢から禅譲により国を簒奪することで蜀漢を設立。その後有名な出師表を出し、義と戦う。ただその戦い方は三国志にあるようなスーパーマンのような闘いではなく、情報戦、兵糧の調達などに苦しみながらの闘いを行って、屯田を行いながら兵を出す。ただ四川の山々は守は良いが攻めるのも山、谷を越え...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月21日
遺産とは、財でも宝物でもなく言葉なのだ。
あとがきに
「なぜなぜと自問を繰り返しているうちに、小説の構想は膨らんでいくもので、そういうなぜがないと歴史小説は面白くない。どこを探しても正解が得られない時でも小説家は避けずに小説的解答や解釈を示していくべきであろう。私はその覚悟で、連載小説を書き始め書き...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月24日
下から読むことに~劉璋に招かれた劉備はゆっくり進み,関羽と張飛を残していく。劉璋に譲られた劉備は成都に入るが,関羽が裏切りにあって死に,張飛もまた然り。曹操が死に,曹丕が魏帝となる。それを許せない劉備は弔い合戦に出て行くが,病に倒れ,後を諸葛亮に委ねたいが,それはできず,諸葛亮は劉禅を皇帝に奉り,丞...続きを読む
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