すべての、白いものたちの

すべての、白いものたちの

935円 (税込)

4pt

アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。

生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、朝鮮半島の記憶が交差する。
文庫化にあたり、訳者の斎藤真理子による「『すべての、白いものたちの』への補足」、平野啓一郎による解説「恢復と自己貸与」を収録。

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すべての、白いものたちの のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    韓国の作家ハン・ガンによる散文詩的な装いの小説。乳児のころに亡くなった姉について過去・現在、韓国、ポーランド・ワルシャワを巡って、白を題材に詩的な文章が綴られる。
    詩を読んでいるような感覚なので、何が書かれていたかは頭に残りにくいのだけれど、小説を読むという体験のひとつの姿がここにあるという感じ。

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    2024年03月26日

    Posted by ブクログ

    読書会の課題本として採択。小説のようなものを想像し開いたが、詩と散文の中間のような構成及び文体であった。言葉選びやテーマ、情景描写等好みに合致しており、個人的に非常に評価している一冊。そのせいもあってか重い題材を扱う割に心地良く読むことができた。

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    2023年10月04日

    Posted by ブクログ

    神経質で潔癖なまでの真っ白さや繊細さがあると同時に、どこかエッジがきいたスタイリッシュさや退廃的な雰囲気もある、自分が思う最近の韓国文化のイメージそのものでした。

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    2023年07月02日

    Posted by ブクログ

    わからない、という苦痛とどう向き合い、それでも逃げずに読むところに、どのような味が出てくるのか、という本でもあった。白という色が、あらゆるものの根源のように、生命を表象しながら、しかし同時に死を包括するような印象を受けた。それは、生を肯定するでもなく、死を否定するでもなく、生死というものが自然な大き

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    2023年06月19日

    Posted by ブクログ

    みぞおちのあたりにずん…と留まりつづける、重くて静かで、あまりにも体の内側に直接に作用するような言葉がたくさんあり、ほんとに苦しかった。苦しかったんだけど、でもこの先いつか読み直し、読みつづけたいなとも思う。

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    2023年04月18日

    Posted by ブクログ

    おくるみ、うぶぎ、しお、ゆき、こおり、つき、こめ……。「白いもの」たちへ捧げる静謐な祈りの言葉。紡がれる美しい文章が織り成す物語は壮大なひとつの詩でもある。哀切で儚い65の物語。ゆっくりと静かな夜に読みたくなる。素晴らしい本でした。

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    2023年02月26日

    Posted by ブクログ

    忘れられない傑作である。儚く美しく、そして抉る作品。散文詩のあつまりのかのようだが、確かに小説である。しかし、そのひとつひとつの詩も美しく、それらを読み進めゆくことで見えてくる世界、そして器としてのわたし、そして決意。読んでいる最中は、さまざまな感情が複雑に絡み合うけれど、この作品は不思議な静謐さに

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    2023年02月24日

    Posted by ブクログ

    単行本も買ってたが、積んでしまっていたので、改めて文庫を購入。何だか凄いものを読んでいるけど、どう表現していいのか分からない。詩を読んでいるみたいでいながら、ストーリーが紡がれていて、分かるのに分からない。文庫巻末の訳者の斎藤氏の言葉に首肯。手元本、がまた一冊増えて幸せ。

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    2023年02月20日

    Posted by ブクログ

    すごすぎてなにを書けばいいのかわからない。読んでいるあいだ、薄暗い雪景色のような静謐さに絶えず体が満たされていた。それはひとえにあまりにも洗練された文章(訳文がすばらしいしきっと原文もすばらしいに相違ない)のなせるところだろうと思う。白いものには無数のイメージが重ねあわされて、厳粛さや脆さ、寂しさ、

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    2023年02月13日

    Posted by ブクログ

    読み終えて、作者のあとがきと解説を読んで「ああ、そういうことか、そうなのか」と思う。読み切れていなかったものが心の中にそっと置かれているよう。また、もう一度読み直そうと思う。

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    2024年04月29日

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