二度はゆけぬ町の地図

二度はゆけぬ町の地図

462円 (税込)

2pt

中卒で家を出て以来、住み処を転々とし、日当仕事で糊口を凌いでいた17歳の北町貫多に一条の光が射した。夢想の日々と決別し、正式に女性とつきあうことになったのだ。人並みの男女交際をなし得るため、労働意欲に火のついた貫多は、月払いの酒屋の仕事に就く。だが、やがて貫多は店主の好意に反し前借り、遅刻、無断欠勤におよび……。(「貧窶の沼」より)夢想と買淫、逆恨みと後悔の青春の日々を描く私小説集。

カバーイラスト/杉本一文

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二度はゆけぬ町の地図 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    西村賢太の作品は、『苦役列車』に続いて2作目だが、本当に面白い。貫多の酷さは『苦役列車』を上回っている。せっかく雇ってくれた酒屋の店主を裏切るわ、好意的に接してくれた家主の老夫婦をナメて家賃を滞納し、挙げ句催促されると逆恨みして、孫娘を犯すと呪詛の言葉を吐くわと、きりがない。本当にどうしようもないや

    0
    2019年07月08日

    Posted by ブクログ

    かなり笑った。北町貫太シリーズ。「春は青いバスに乗って」はちょっと読んで内容が見えてきた頃に大笑いしてしまった。徹底してみじめでからっとしてるのがいいなぁ。よくある普通の仕事ができなかったり馴染めないから小説書きましたみたいななまっちょろい似非社会不適応者の書いたものほどはなについた下らないもんはな

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    2012年07月30日

    Posted by ブクログ

    主人公が「私」である時と「北町貫太」である時の違いは何だろう?

    性欲が強くて、器が本当に小さく、すぐにキレる人の物語。「自分のことを棚にあげる」主人公が、「自分のことを棚に上げる他人」を口汚く罵るシーンに期待してしまう。

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    2012年07月16日

    Posted by ブクログ

    これは面白い! どんな良作家にも駄作はあるものだが、どうやらこの西村賢太という人は、常に星を四つ以上あげたくなる作品を書くようだ。そんな作家は貴重だ(もちろんこれは僕の主観による評価に過ぎないから、人によってはチョット齧るだけで嫌悪感が湧いて投げ出す人もいるだろうが)。

    いつもの通り文章は一文一文

    0
    2012年01月17日

    Posted by ブクログ

    短編4部作。この本もやっぱり面白い。
    主人公の貫多イコール西村賢太さん。
    きっと自身の経験を踏まえつつは作品に落とし込んだのだろう。
    全作とも大変面白い!

    0
    2022年11月08日

    Posted by ブクログ

    苦役列車を読んで二作目。
    私小説なので主人公は変わらず、過去の出来事が物語になっている。
    彼の考え方や物事の捉え方自体がコンテンツであり、なるほど彼のような「怠惰」な人格が出来上がる過程や行動の理由がよくわかるのが、西村さんの私小説の良さだと思う。
    苦役列車に比べ⭐︎一つ減らしたのは、苦役列車に出て

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    2022年08月09日

    Posted by ブクログ

    西村賢太にどハマりしています。
    3月から「人もいない春」「小銭を数える」と立て続けに読み、本作が3冊目。
    手に入れられる著作は全て集め、年内には読破したいところです。
    ただ、西村さんの著作は絶版になっているものも多く、それが心配。
    再出版してほしいものです。
    さて、本作も西村賢太の分身である「北町貫

    0
    2022年05月23日

    Posted by ブクログ

    これまで読んだ西村賢太作品の中で、1番面白かった。留置所の話を始めとして動きが比較的多いからか、あっという間に読み終えました。

    0
    2020年10月10日

    Posted by ブクログ

    この前に読んだ『人もいない春』の方が若干すき。

    『春は青いバスに乗って』がよかった。
    警察に捕まって拘留された話で、いままで読んだことない分野でおもしろい。
    『腋臭風呂』の「洗面器とタイルがぶつかりあう、聞き覚えのある音」っていうので、あのポンッて音が聞こえた気がして、銭湯行きたくなった。

    0
    2020年05月23日

    Posted by ブクログ

    中卒で社会に出て日雇い労働で生きる主人公が、酒を飲んだり女を買ったり暴力を振るって刑務所に入ったりする短編集。これは私小説なので作家の経験に基づいているのかなあと思うと、よくこんなふうに生きながら本を出したな、と思う。女を求める男の欲望と虚しさや、イキがる自分とそれを省みる自分とのギャップには、等身

    0
    2020年04月19日

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