この世の喜びよ

この世の喜びよ

1,562円 (税込)

7pt

第168回芥川賞受賞!

思い出すことは、世界に出会い直すこと。
最初の小説集『ここはとても速い川』が、キノベス!2022年10位、野間文芸新人賞受賞。注目の新鋭がはなつ、待望の第二小説集。

幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。

ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

二人の目にはきっと、あなたの知らない景色が広がっている。あなたは頷いた。こうして分からなかった言葉があっても、聞き返さないようになっていく。(本書より)

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この世の喜びよ のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    Audibleにて

    「やって貰う喜びもあるけど、やってやれる喜びもある」
     かつて親父が言った言葉だが、そのことを体現していたのはじいちゃんとばあちゃんだろう。戦争を経験し、家族を含め多くを失う中でそれでも何かを与えることを惜しみなくしてくれた人達だった。感謝しかない。

     与えられたものは、後の

    0
    2024年05月04日

    Posted by ブクログ

    あなたがこの世の喜びを結婚でも出産でもないところで感じたところにとても生々しさを感じ、ほっとした気持ちになれました。

    あなたは老いていくなかでも新しい人と出会ってお互いの話をし、その人に伝えたいことを伝えることにこの世の喜びを感じている
    昔からあるショッピングモールという調整された居心地の良い空間

    0
    2023年11月20日

    Posted by ブクログ

    小さきものから小さきものへ伝えられる、引き算の人生の、しかし確かにある喜び。ショッピングモールの見え方も変わる。

    0
    2024年04月29日

    Posted by ブクログ

    子育てが終わり喪服売り場でパートする女性を描いた『この世の喜びよ』『モデルルーム』に一人でお試し一泊する主婦と叔父に連れらキャンプに行く『キャンプ』の3編。
    淡々とした文体、選ばれた言葉に魅せられた。長い長い詩のよう。

    0
    2024年02月12日

    Posted by ブクログ

    冒頭から泣いてしまう。泣かせることを狙いとしたフレーズではないだろうに。多分、それはわたしが育児の真っ只中だからだ。わたし自身は「愛おしい」とか「大好き」とか「大切」とかそういう風に湧き出る感情を名づけることとしてきたそれが。『日なたの黄色い芝生』をわたしは見たことがある。わたしはそこにいたことがあ

    0
    2024年01月20日

    Posted by ブクログ

    じっと読み進めていくと、じんわり胸が熱くなる小説
    細部まで表現が練られている気がする
    冷たい文章なのにあたたかい

    0
    2024年01月19日

    Posted by ブクログ

    主人公の「あなた」が、ショッピングモールで出会った「少女」との交流、少女との交流が途絶えてしまったのち、少女に居場所として自分の過去を伝えようとする。伝えられること、伝えたいものがあることが、人生における喜びということ。

    二人称である「あなた」を主語に、呼びかけているような文体は、有島武郎の「生ま

    0
    2023年12月09日

    Posted by ブクログ

    ただ暗いおばさんじゃなかった。
    細かい描写の中に共感を幾度も覚える。
    初めて読む作家だけれど、言語化の仕方が好み。

    「キャンプ」の大人たちより大人っぽい子供たちが良い。

    0
    2023年09月22日

    Posted by ブクログ

    日常生活の、地味だけど小さな感動。
    子育ての難しさ、それは子供心の難しさ。
    この世の喜びってなんだろう?と思いながら読んだ。

    0
    2023年09月06日

    Posted by ブクログ

    喪服姿と語り口で不穏な空気感極まりない読み出し
    途中、あれっこれってとても他愛もない幸せな話しと気付いてタイトルを見る
    あ~そうだった『この世の喜びよ』と感じた一時
    人が成長していく様を共に過ごす
    ささやかな思い出が蘇り「あなた」と重なる
    不安定な中に安定が生まれた
    美しい一瞬
    でもきっとすぐに忘れ

    0
    2024年03月20日

この世の喜びよ の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    144ページ
  • 電子版発売日
    2022年11月09日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    1MB

閲覧環境

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