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どん底の境遇で育つなか,体で思想を獲得し,国家と対決した金子文子.マッドで過激な武闘派サフラジェット,エミリー・デイヴィソン.イースター蜂起のリケジョスナイパー,マーガレット・スキニダー.道徳や恋愛の呪縛を超え,全力で生き,闘った,百年前の女たちが甦る.過去を未来に向けて解き放つ,怒涛の三つ巴伝記エッセイ!
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Posted by ブクログ
主に女性の選挙権もしくは参政権についての話 先人達がどのような苦労を乗り越えて それを手に入れたのかがわかる本 女性である自分に繋がるお話 これを読んだら、なんとなく投票しない なんて事はできない 選挙では必ず投票してきたが 選挙券を握りしめる手の力がより強くなる 金子文子について知りたい人に...続きを読むも、おすすめ しかし、少々痛々しい表現も含まれているので 注意が必要です
究極に自立?自律?していた金子文子の記録です。 他にあと2人、武闘派サフラジェット、エミリー・デイヴィソンと イースター蜂起のスナイパー、マーガレット・スキニダーが出てきますが、 もう金子文子しか心に残らなかったです。 彼女が死なないでいたら、どんな仕事を残しただろう。 少なくとも今よりは、日本の...続きを読む女性の地位はマシだったんじゃないか。 男に従属するようなことは、無くなってたんじゃないか。 もっと彼女のことを知りたい、と思った。
大逆罪で投獄された日本のアナキスト金子文子、英国サフラジェットのエミリー・デイヴィソン、アイルランド独立に向けたイースター蜂起に関わっていたマーガレット・スキニダー。3人の女性の物語が交互に織りなされる。 一つ前に読んだみかこさんの本、this is Japanで女性の貧困問題に触れられていて、そ...続きを読むの文脈でサフラジェットについての映画「未来を花束にして」に言及があったので、図らずもその主人公エミリーを扱ったこの本を続けて読めてよかった。 実は金子文子もサフラジェットもよく知らなかった。そんな状態で見た「エノラホームズの事件簿」が、ただのエンタメ映画かと思いきや、エノラの母が過激な女性参政権活動家という設定で、へーそんな人たちがいたんだと記憶に残っていたので、少しは知識が広がったか。その文脈で、金子文子は女性参政権云々というよりは、階級社会の歪みで苦しめられた出自から社会制度そのものに反発していたのだろうが、きっと彼女が女性でなければまた別の道を歩めたのだろうし(彼女は両親に捨てられ、嫁入り前の年齢になると金がかるからと祖母に捨てられたのに、弟は父が引き取ったとか)、そういう意味で彼女が反発したのは男性と女性というカテゴライズ含め、富裕層と貧困層、日本人と植民地の人々という、出自次第で虐げや搾取が当然のごとく行われていた当時の日本そのものだったのだろう。 ところで本筋には関係ないが、エミリーらサフラジェットのハンストに対し、強制的に食事を取らせる刑務所の描写に背筋がゾッとした。受刑者の人権なんてなんのことみたいな時代がつい前世紀まであったとは。で、読み終わって新聞記事を読んでいたら、昨今の入管による入所者への扱いの記事が目に入り、21世紀の出来事なのに100年前の話とオーバーラップしてさらに怖くなった。
朝日新聞2019727掲載 評者: 斎藤美奈子(文芸評論家) 東京新聞2019811掲載 評者: 梯久美子(ノンフィクション作家) 日経新聞2019817掲載 評者: 山崎ナオコーラ(作家) 読売新聞2019825掲載 評者: 藤原辰史(京都大学准教授、農業史研究者) 朝日新聞2021911掲載
女日蓮 獅子吼す 金子文子。 MADなレディー エミリー・デイヴィソン。「MAD?そうよ!あの神がかったマッドネスが世界を作り変えるのよ」
世界のあちこちで自分に敵対する陣営をテロリストと呼び合い、そして2020年のビックイベントへのテロ対策の名のもと個人データを照合され、一方、深夜のグルメ番組を「飯テロ」とカジュアルに表現し、重いも軽いもテロテロしている世の中ですが、やっぱり個人的には「テロはいかんでしょう、テロは…」ぐらいのいわゆる...続きを読む平和ボケ人間だったりします。しかし、本書はテロ、いやテロルという言葉は顕在化されていないはずなので、今日におけるテロ的な行為、いや行為にすらなってない思考、に至らざるを得なかった100年前の3人の女性のシンクロニシティの物語です。著者は「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」とBREIXTで今、引っ張りだこのブレイディみかこ。相変わらずのパンキッシュなノリで3人の女性のストラグルとアクションをリミックスしていきます。金井文子、エイミー・デイヴィソン、マーガレット・スキニダー、それぞれの全く関係ない人生が、巧みにキーワードで編集され、社会の構成員とされていなかった女性の社会参加への扉を開けていく、いや、閉ざされた扉への体当たりを蘇らせています。松本清張「昭和史発掘」の「朴烈大逆事件」の章で金井文子の名前だけは知っていましたが、アイルランドイースター蜂起のマーガレットもサフラジェットのエイミーも本書で初めて知りました。フィンランド34歳女性首相の誕生を以って、100年経ってここまで来たのか?100年経ってもここまでしか来れないのか?そして、自分は「テロはいかんでしょう、テロは…」ぐらいのレベルなのか?いやぁ〜ブレイディさん、いつも投げ込んでくるよなぁ…
アナーキー&ロックに生きた3人の女性の一代記。次々と展開していく小気味いい文章で一気に読み進められます。虐げられた状況下を闘い抜いた3人の姿はカッコよすぎ。最期まで力強く生きた彼女らをアッパレに描き、暗く悲しい結末で文章で終わらせない作者の筆もアッパレです。
読み終わった後 表紙の花に囲まれた少女が 金子文子さんなのだ と しみじみ 見つめてしまいました そして 帯文の「生きる主権は我にありー百年前にあった未来」 の一文を なぁるほどなぁ と しみじみ 考えさせらました 少し前のイギリスの映画「未来を花束にして」(2015年)を当然のことながら思い起...続きを読むこしていました そして、 金子文子、エミリー・デイヴィソン、マーガレット・スキニダー、の三人を こういう形で紡ぎ合わせて 綴っていく ブレディみかこさん に あらためて たいしたものだなぁ と 思いました ちなみに いま 並行して 「アレクシェーヴィチとの対話」を読んでいるのですが なにか 「このままじゃ いかんだろう!」 「いつまで おなじ愚かなことを 続けているのか!」 という様な共通している「憤り」「思考」を 感じてしまいます。
英国支配からの独立のため、女性参政権のため、自分自身を生きるため。日英愛。壮絶に生き、そして戦った100年前の女性たち。恩赦・釈放・帰国許可。当時の社会もそれなりに寛容だった。しかし、彼女たちはそれでよしとしなかった。3つの物語は交互に進む。歴史上無関係な出来事が近づいていく。願いは成就しなかった。...続きを読むイースター蜂起は失敗し、女性参政権はサフラジェットでは叶わず戦争がもたらした。金子文子は23歳で逝く。忖度しない、先の展開を憂いしない。無謀な自己犠牲は直情の赴くまま。「生き物の死にざま」は後生を残すために。
金子文子、エミリー・ディヴィソン、マーガレット・スキニダー、3人の女たちの生き様。 破壊力のある文章でえがかれた、まさに生き様。 章末の文章のキーワードが、次の章の初めに生かされていて、別の人の話なのに、まるで一つの話であるかのようだった。 エミリーが、馬のレースに飛び込んだ時の衝撃は、すごかった...続きを読む。それまでも壮絶な留置所生活を、送っていて、それでも立ち上がり前に向かう姿は、エネルギーそのものだと思った。 しかし、時代とはいえ昔の人はえげつないなと感じてしまった。このような時代を経て今の世界が存在する。今の私たちも未来のために、正しいことは正しいと思って生きていきたいと思った。
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