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海の上に、陸蒸気を走らせる! 明治の初めに、新政府の肝煎りで、日本初の鉄道が新橋~横浜間に敷かれることになった。そのうち芝~品川間は、なんと海上を走るというのだ。この「築堤」部分の難工事を請け負ったのが、本書の主人公である芝田町の土木請負人・平野屋弥市である。勝海舟から亜米利加で見た蒸気車の話を聞き、この国に蒸気車が走る日を夢見ていた弥市は、工事への参加をいち早く表明する。与えられた時間はたった二年余り。弥市は、土木工事を生業とする仕事仲間や、このプロジェクト・チームを事実上率いている官僚の井上勝、そしてイギリスからやってきた技師エドモンド・モレルとともに、前代未聞の難工事に立ち向かっていく。来たる2022年10月14日は、新橋~横浜間の鉄道開業150年にあたる記念すべき日。この日を前に刊行される本書は、至難のプロジェクトに挑んだ男たちの熱き物語であり、近代化に向けて第一歩を踏み出した頃の日本を、庶民の目で見た記録でもある。
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年11月16日
見たこともない陸蒸気を走らせるために鉄道を敷く。さらに、長大な築堤を設けて海を走らせる。重機のない時代にだ。鉄道開業150年という節目を迎え、平野弥市なる影の功労者にスポットが当たる。新政府は産声をあげたばかりで、攘夷の名残もまだ根強い。小説とはいえ、何千もの人夫をまとめる苦労たるやいかばかりか。そ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年10月16日
明治時代、日本初の鉄道敷設に挑む人々のお話。見たこともない蒸気機関車を走らせる、しかも海の上に走らせる、現代でも結構大変そうな工事を、人力のみでやってのけるとは…スゴいなぁとしか言いようがない。できれば地図を載せていただければ、もっと実感をもって読めたように思うのですが…いやでも面白かったです。☆3...続きを読む
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