「強い円」はどこへ行ったのか

「強い円」はどこへ行ったのか

990円 (税込)

4pt

これは、日本に対する最後の“警鐘”かもしれない。
市場が放つメッセージの真相を解説。

急速に進んだ円安。
「国内外の金利差が原因だ(米国の利上げによるドル高の裏返しだ)」
「日本が売られているのだ」
「今回は悪い円安だ!」
「やがて日本国債も暴落する!」
さまざまな議論が交錯するなか、2022年5月には20年ぶりに1ドル=130円台をつける。その後も軟調気味に一進一退を続け、「50年ぶりの円安水準」に直面した。
果たして今回の円安はなぜ起こったのか?
円安の何が悪いのか?
つまるところ「円安は日本売り」であり、「経済低迷に根本的な手を打たない日本政府に対する市場からの警鐘」である。現状の為替の動きは「日本回避」の兆候であり、まさに「買い負け」は今の日本を的確に表現している。日本(円)経済が岐路に立たされていることを象徴しているということだ。
そして、円安で得をするのは、輸出や海外投資の還流に近いグローバル大企業だけで、内需主導型の中小企業や家計部門にはデメリットが圧倒的に大きく、結局、円安は両者の格差を拡大する。言い換えれば、今回の円安は、日本における優勝劣敗を徹底する相場現象と認識すべきかもしれないのだ。

本書は定評あるアナリストが、今回の円安の構造的要因を冷静に分析しながら、将来に向けて捉えるべき課題をコンパクトに整理。為替を軸にみた日本経済の置かれた現状を解説する緊急出版。

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「強い円」はどこへ行ったのか のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

     現在の日本を金融の側から分析した本で、とても良かった。黒田総裁の遅すぎた円安誘導から植田総裁の遅すぎた引締で、誰も円を買わなくなってしまうリスクが増加した。

    0
    2023年08月21日

    Posted by ブクログ

    「結局、リフレ政策で目指した物価上昇目標が9年間未達だったからこそリフレ政策への支持率が安定していたという皮肉な実情が浮かび上がる」
    まさにそうですね

    0
    2022年09月23日

    Posted by ブクログ

    日本は貿易で稼げなくなったあたりから円買いが抑制されている可能性があるとの視点は新鮮だった。円安で喘ぐ中インバウンドの門前払いを行ったり、資源価格高に喘ぐ中原発の再稼働を行わなかったりすることによって、成長の芽を自ら摘んでしまい諸外国と対照的に低成長に悩む日本に投資する国がないというのも頷ける。原発

    0
    2023年09月16日

    Posted by ブクログ

    現行の外国に比べて厳しすぎるコロナ対策に対しての、著者、そして市場の反感を強く感じた。コロナ対策の評価は置いておいて、市場と世間一般の意見の乖離は相当なものなのだろう。

    円安について、日本の構造的な要因を分かりやすく解説している。コロナやそれ以前からの円売り、外貨保有が証券から直接投資に移ってきて

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    2023年02月02日

    Posted by ブクログ

    円安と今後の円の動向を知るために読んで以下のことを学んだ。
    ・以前から謎だった日銀が円安がいいと言う理由
    ・現在が成熟した債権国から債権取り崩し国への変換点の可能性がある。
    ・今の円安の主因は貿易赤字と内外金利差である。
    ・家計の貯蓄から投資への進展は更なる円安を招く。
    ・金融政策だけでは円安を解消

    0
    2023年01月25日

    Posted by ブクログ

    フェアバリューのない為替相場において、昨年から続く大幅な円安について、賞味期限の長い骨太な考察が行われている。最近は内外の金利差が注目を集めるが、著者は10年ほど前からの貿易黒字の減少などマクロ面を重視し、成熟した債権国に移行したが故の現象であると主張する。つまり、ここ10年ほどで大きな経済的構造変

    0
    2022年11月06日

    Posted by ブクログ

    2022年63冊目。208ページ、累計17,087ページ。満足度★★★★☆

    株式・債券(金利)・為替の中で、フェアバリューがなく最も予想が難しいのがドル円に代表される為替レートです

    本書は、2022年になり急速に進んだ円安について、実は今から10年以上前から底流として日本経済の構造変化があったこ

    0
    2022年10月29日

    Posted by ブクログ

    現在円安が進んでいます、私の世代の人間は20世紀末に同様の円安を経験してから円高を経験しているので、いずれ元に戻ることを期待している人もいるかもしれませんが、今回の円安は前回の時と状況が異なっている様です。

    この本を書かれた方の本を読むのは初めてでしたが、私が思っていた20年ぶりではなく、50年ぶ

    0
    2022年09月19日

    Posted by ブクログ

    長期的な視点から足元の円安を評価する取り組み。
    著者自身、書籍という陳腐化しやすい媒体であるものの腐りにくい議論に努めたとあるように主に2013年からの黒田日銀体制前後にフォーカスしつつ構造的な通貨の立ち位置を論じる。
    総括すれば円安となれば外貨に依拠するほかない、と思えるがそれもまた今後の流れで見

    0
    2024年01月11日

    Posted by ブクログ

    テレビの経済ニュースでの唐鎌さんのデータに基づく分析を好意的に見ていましたので、本書を読んでみようと思いました。
    基本的な日本の立ち位置に対する認識は同じであったが、インバウンド需要や貯蓄から投資への意味に関する考察は、今の状況理解を深めてくれました。
    私自身は投資もする理系博士研究者ですが、本書で

    0
    2024年01月01日

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