二木先生

二木先生

858円 (税込)

4pt

どうしたら普通に見えるんだろう。どうしたら普通に話せるんだろう――。いつもまわりから「変」と言われ続けてきた高校生の田井中は、自分を異星人のように感じていた。友だちが欲しいなんて贅沢なことは言わない。クラスのなかで普通に息さえできたなら。そのためならば、とむかしから好きでもない流行りの歌を覚え、「子供らしくない」と言われれば見よう見まねで「子供らしく」振舞ってもみた。でも、ダメだった。何をやっても浮き上がり、笑われてしまう。そんな田井中にとって唯一の希望は、担任の美術教師・二木の存在だった。生徒から好かれる人気教師の二木だったが、田井中はこの教師の重大な秘密を知っていたのだ。生きづらさに苦しむ田井中は二木に近づき、崖っぷちの「取引」を持ち掛ける――。社会から白眼視される「性質」をもった人間は、どう生きればよいのか。その倫理とは何か。現代の抜き差しならぬテーマと向き合いつつ予想外の結末へと突き抜けていく、驚愕のエンタテインメント。2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。

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二木先生 のユーザーレビュー

第9回ポプラ社小説新人賞、堂々の満場一致で受賞!
「変」と言われ続けてきた高校2年生の田井中。自分の気持ちに素直に行動すればするほど、自分が異質であることを思い知らされてきた。流行りのポップスより、昔のアーティストが好きだった。でも、そのアーティストについて語ったら「変な子ども」の烙印を押された。だから、「普通」になろうと努めてみたけど、どれも上手くはいかなかった。
そんなとき、爽やかそうな美術教師・二木先生の抱える"大きな秘密"を知ってしまった。二木も田井中と同様、ある性質によって、社会からはじき出される苦しみを知っている人間だった。
──許されない欲望を抱えた人間もいる
「普通」とは何か。そして、それは誰が決めるのか。「普通」であることが正義なのか。では、自分が「普通」とは違うと気付いてしまったとき、どう生きていけばいいのだろうか。社会から逃れて生きることなど、出来やしないのに。
無理に認められようとしなくていい。「普通」に変わろうとしなくてもいい。ただ、認められない感情を嘘で包み隠して生きていけばいい。
社会での生きづらさを苛烈に正面から描き切った、確実に存在する現実の物語。

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    イジメの描写でとてつもなくイライラさせられてしまった。代わりにぶん殴ってやりたいほどだった。二木先生と同じ立場になってしまったら自分はどうするだろう、こんなに冷静では居られないだろうなと思った。すごい。

    0
    2024年05月30日

    Posted by ブクログ

    2019年ポプラ社小説新人賞受賞作。
    かなり面白い。ちょっとトンデモな内容ではあるものの、読んでいてかなり没入感を得られた作品でした。

    大なり小なり、生きづらさを抱えたことがあるような、『ちょっと自分は人とは違うかも』な方にはオススメです。

    そして、主人公が作中で書き始めた小説の中身がメチャクチ

    0
    2024年05月05日

    Posted by ブクログ

    多様性。多様性。
    流行っている。
    まるでオシャレなもののように見える時がある。

    でも、
    ある人にとっては生きていくためにはクローゼットにしまっておかねばならないものでもあり、
    クローゼットは他人が開けるべきものではないし、隠さなくてもいいんだよ!カミングアウトしてこ!などと外野から叫ぶ必要もないよ

    0
    2024年04月29日

    Posted by ブクログ

    複雑な心情を描いているのに文章はすごく読みやすくすらすら頭に入ってきたので不思議な気持ちになった。自分を好きでいられるかどうか、に基づいて選択するという考え方が特に好きだと思った。

    0
    2024年04月06日

    Posted by ブクログ

    教師と生徒が弱味の握りあい、みたいな小説。
    それほど驚くようなトラブルは起きないが、主人公の心理変化が丁寧に描かれいていることで、当事者にとっては大問題だと分かる。
    最後にはどんでん返しもあり、エンタメとしても楽しめる。

    0
    2024年05月22日

    Posted by ブクログ

    普通ではない人はどう生きていけば良いのかを考えさせられる。田井中の言動が最初は受け入れられなかったが、二木先生とのやり取りを通じて見方が変わった。結末は穏当に済んだが、どうとらえたらいいのか迷う。

    0
    2024年05月22日

    Posted by ブクログ

    デビュー作…え?
    これは凄いな。
    2022年第1刷
    2024年第12刷…なるほどそうなるよね。

    学校小説と軽い気持ちで読み始めたのだけど、序盤からして予想外の展開。禁じ手にでたなと言う感じでどう決着を付けるのか気になってしょうがないやつ。
    クライマックスになるにつれ、主軸となる3人のキャラ立ちが明

    0
    2024年05月21日

    Posted by ブクログ

    思春期ならではの感情面もリアルに描かれているし、とてもストーリーに入り込みやすい。
    多様性が認められてるようでそうでもない現代だからこそ響くし、読むべき作品。
    「普通」とは何なのか?「自分」とは何者なのか?
    結局はマジョリティが正義であり、少しでもマイノリティに属する人間は、人知れずこうして孤独を抱

    0
    2024年05月19日

    Posted by ブクログ

    今まで読んだ本の中で一番刺さった。中盤は自分が求めてたような本じゃないのかなって思ったりもしたけど、終盤は主人公を自分に重ねて苦しんだり学んだりできた。メッセージ性も素晴らしく本当に読んでよかった。

    0
    2024年05月06日

    Posted by ブクログ

    マイノリティーの生きづらさを思い、胸が痛くなった。マイノリティー側の主人公・田井中、二木先生、マジョリティ側代表の吉田に対し共感できる・できないは別にして、それぞれの主張に論理があって、皆(たぶん吉田も)何かに苦しんでる、でも何とか社会に適応して生きていこうともがいてるところに切実さを感じた。

    0
    2024年05月03日

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