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※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 シャマニズムに関する調査研究の蓄積を集約し、北方ユーラシア諸民族の世界観を描き出す、シベリアの『金枝篇』。日本についても言及。第2巻はいよいよシャマンの生きた実像に近づく。全2巻完結。
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Posted by ブクログ
東欧からシベリアに至るまでの北方ユーラシアに居住する諸民族(アルタイ諸語を話す諸民族)の宗教的世界像、並びにその担い手であるシャマニズムについて解説した書。1巻に続く下巻となる本書では、シャマニズムの主役であるシャマン、そして諸々の儀礼についてを取り扱う。 本書は、20世紀初頭のフィンランド人宗教学...続きを読む者ウノ・ハルヴァの著書"Die religiösen Vorstellungen der altaischen Völker"(1938)の邦訳である。内容の概説・特徴については上巻である1巻のレビューを参照して頂くとして、後半となる本書は第十六章(「供養祭」)から第二十二章(「供犠と供犠祭」)までを収録、様々な儀礼行為や諸霊たち、そしてシャマンについてを概説する。 本書で特に目を引いたのは、狩猟に関する儀礼――それも熊狩りに際して行われる儀礼についての報告である。北ユーラシアでも最大の動物である熊の狩猟に際して、同地の人々は様々な呪的行為・儀礼を行ってきた。例えば、彼らは熊(の霊魂)の報復を避けるために、熊の鼻面や目・歯や爪を狩ったその場で解体することでその脅威を取り除こうとする。そして「お前を殺した(食べた)のは自分達ではない」と熊に対して言い含め、場合によっては熊の「不慮の死」を嘆いてみせたりカラスの鳴き真似をするなどして熊を欺こうとする。その一方、狩りを終えて集落に戻る際には熊を客人のように扱い、解体後の骨を丁重に葬ることで「熊がまた自分たちに狩られてくれるように、仲間の熊たちに歓待ぶりを伝えて自分たちのところに来てくれるように」と懇願する。かのフィンランドの国民的叙事詩『カレワラ』にて描かれた熊祭りの光景にも通じるこれらの作法は、北ユーラシアの狩猟民族の自然観・動物観を何よりも如実に示すものであろう。
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