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血まみれのマリアと異名を持つ阿部看護婦長が癒しの宿に選んだのはなんと、プリズンホテルだった。大都会の野戦病院ともいえる救命医療の病院勤めの忙しさから逃れてきたのはいいが……。この真冬の温泉ホテルに集うのは例によっていわくつきの人物ばかり。今回は登山の天才、患者を安楽死させてしまった医師、リストラ直前の編集者。はてさて、雪深いホテルで今宵もおこる出来事とは。
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Posted by ブクログ
「お客様のお訊ねになったことだけにお答えするのがわたくしの仕事ではございません。」「笑うなよ 。笑い事じゃないだろう。なんでお前はいつもニヤニヤしてるんだ。まるで人をおちょくるみたいに」「笑顔は制服と同じでございます。タキシードを着たとたん、こういう顔になるのです」 「どうしていいか、わからないんだ...続きを読む」「あれこれ考えるな。男の選ぶ道は迷うほど多くはない」 血まみれのマリアきた!!まさかこんなコラボがあるとは・・・きんぴかで人となりもなんとなくわかるし、最初の、患者が死んでストレッチャーの上で号泣するところでほんまに泣きそうになった・・・
今回の物語は、また角度を変えて、生と死を描いたもの。一般社会での価値体系よる一元的な評価だけでは人間は測れないということを、アウトローの任侠と触れることで解体し敷衍してきたのがこのシリーズ。しかし、そんな異なる価値体系、見えや粋、面子と言ったものを大切にして生きている男たちも、死を前にして、命と向き...続きを読む合うと形無になってしまう。 『死にたいことと、死んでもいいってことは、全く別物』という言葉の重さを知る。 イジメを苦にする少年や次作を求める編集者の姿から、生きることは、苦しく、さまざまなことを縁にして人は生きていることが浮かび上がる。その一方で、その命をめぐる、マリアと平岡の対立、そして山男の姿勢に命の尊厳、峻厳さを改めて気づかされる。 命は儚く頼りない。が、とてつもない力強さと光をも同時に宿している。 そんなメッセージを貰う生命賛歌の物語だった。 そして、そんな中で、徐々に主人公の作家の内面が前に出てくる。子どもで止まってしまい、愛情表現の方法を知らぬその姿に、漸く共感できるとっかかりが見つかった。次巻、最終巻で、この作家の魂も救われるのだろうか。 シリーズものながら、全く異なる展開でワンパターン化しない浅田次郎の筆力を感じさせられた。
前回2011年3月23日となっている。 この第3巻、冬物語は一番心に沁みたなぁ。 マリア、サチコ、山男、少年太郎、平岡先生、みどりさんと、なかなかゲスト陣に魅力があってお迎えする側がサポーターに徹している。 困ったちゃんの作家先生だけが相変わらずの甘ったれだ。 4巻目に行く前に少々休憩を挟むつ...続きを読むもり。
すごく面白いのに読み終えると、はぁ〜っとため息が出て切ないような安堵のような気持ちになった。 天才登山家、血まみれのマリア、平岡医師。生と死が隣り合わせた状況に何度も置かれた人たちは、やっぱりこんな考え方になるんだろうな。 私なんて甘っちょろい。太郎と変わらない。 もしかしたら偏屈な小説家の方に近...続きを読むいのかもしれない… パート4春では お清と結婚した孝之介がどうなってるんだろうか? 楽しみッ!
プリズンホテルシリーズは冬が一番すき。 血まみれのマリアがかっこいい。 天海祐希あたりにやらせたい。 もうお清さんが健気で泣けてくるの(最後のシーン) 生きることの奇跡とか、すごく考えさせられる。 やっぱり浅田次郎、すげー、そして好き。
ドタバタで笑わせ、ホロリと泣かせた呉れる。シリーズ中これが秀作 愛すべき登場人物達 体のしぼむほどの悲しい溜息をついたp273
シリーズ3作目。今回も様々な過去と苦悩を抱えた客がホテルを訪れる。血だらけのマリアと呼ばれる救命看護士と、昔の恋人で末期ガン患者を安楽死させた医師。命懸けで氷壁を登る世界的な登山家と、自殺するため冬山に迷い込んだ高校生。そして小説家のぼくと清子。小説家の原稿を取りに追いかけて来た編集者。人を愛するこ...続きを読むと、生きるということは何か。強盗に殺されたサチコ。母親に捨てられた小説家。それぞれが幼少期の不幸を背負って生きていく。この温泉宿で癒され再生していく。
今回も、登山家、自○しにきた学生、安楽死させた医師などなど様々な宿泊客がホテルとの関わりを経て織り成すストーリーが 魅力的です。 そしてお清と孝ちゃん。おめでとう!でいいのかな? 支配人の倅、繁の成長も垣間見えて面白かったです。
2024.3.15 どうしようもない孝ちゃんがどんどん好きになってしまう。 隙間時間にブワッと読んだけど、行間に魅力がたくさんある本なのが分かる。 何度も読む事になると思います。
プリズンホテルの面々は相変わらずドタバタでほっこりするし今回のお客もまた色々あるしで楽しめた。 次は最終巻の春へ!
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