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選考会で異例の満場一致!
第127回文學界新人賞受賞作
松井まどか、高校2年生。
うみちゃんと付き合って3か月。
体重計の目盛りはしばらく、40を超えていない。
――「かけがえのない他人」はまだ、見つからない。
優しさと気遣いの定型句に苛立ち、
肉体から言葉を絞り出そうともがく魂を描く、圧巻のデビュー作。
★★★
文學界新人賞・全選考委員激賞!!
ここには誰のおすみつきももらえない、肉体から絞り出した言葉の生々しい手触りがある。――青山七恵
安易なマイノリティ表現への違和感の表明であり、同時にそのような表明の安易さへの批判でもあるという点で、まさにいま求められる文学なのではないか。――東浩紀
本作には紛うことなき現代を生きる人間が、そして現代がぶち当たっている壁が克明に描かれている。――金原ひとみ
世界が傷つくとみなす事項に対する、最初からの「傷ついてなさ」が、ぐっとくるのだ。――長嶋有
満場一致の受賞となり、今後の活躍を楽しみにしている。――中村文則
主人公にとって、また小説にとって、とても重要なもの、安易に言語化できないものたちが、物語の力によって、この小説の中に確かに存在している。――村田沙耶香
Posted by ブクログ 2023年10月24日
最後のまどかの言葉を成長と捉えるかどうかは
読む人次第なのかなと思った。
何かの枠に当てはめてマニュアル通りの対応は嫌だけど相手のことを想いやりつつ自分の言葉で気持ちを伝えることはとても難しいことだからジレンマを感じる。
ただただ自分をちゃんと見て欲しいって誰もが持ってる感情を生々しく描いた作品...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月03日
翼沙の言葉のおおよそは空気で膨らんでいた。誰にも受け取られなかった言葉はヒーターの風に押し上げられて、広告のくぼみにひっかかって帰ってこなかった。(P.13)
これからはあの絵本の二人組みたいに、もっと仲良くなってどこにでも行けて何にでもなれるかもしれないんだ、と胸を弾ませて始まった交際は、桜が芽吹...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年07月05日
生理をなくすために体重を減らした。
教育実習に来た大学生の女の子と付き合ってみたけどこの人とはぐりとぐらみたいにはなれない。
大学生の子が鼻の先にハイライトを入れてるとか、女子校の同級生が推しのために生きてるけど若干冷めてるのとか、今の子の感じがすごくリアル。
大学生の子がTwitterで「パート...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月12日
私は性別違和を感じたり、自分と同じ感覚の人がいないという孤独を切実に感じたことはないが、それでも、びっくりするぐらい、自分のための物語だと思った。現代を切り取った、という表現は月並みだと思うけど、いま、の、コミュニケーションの取り方、の中で私たちが感じている機微を、丁寧に言語化してくれて、救われたよ...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月08日
女性の生理について、
性差を超えたかけがえのない他人について、
女子校の人間関係について、
とってもリアルに描かれていて男性のわたしも分かったフリをしてしまいそうになるくらい分かりやすかったです。
生理の描写で股から垂れる血とかその時の対応方とかはどうやっても経験できないことなので驚きました(もち...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月03日
カテゴリーは人間です。
ってな事で、年森瑛の『N/A エヌエー』
カテゴリーレス?または多岐に渡るカテゴリーの塊 ケイゾーやべじぃが読んでたのに感化され読んだよ。
先ず思ったのが著者の年森瑛さんが男性なのか、女性なのか
男性にしては女性の事をよく表しとるなぁと。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月20日
最初はちょっとわかりづらい、と思ったのだが、読み進めていくうちに主人公の持つ違和感とかはすごく理解できた。
人をカテゴライズするのは自分の理解の範疇におきたいから。人に見せるのは認めて欲しいから。
メインキャラの3人はとても思いやりと冷静さをもった大人だな、と思う。自分の非を認めたり、相手に対し...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月17日
"LGBTQ"
(そもそもこの言葉で括れない多種多様な性があるが)
を肩書のように使っているときはないか?
みんなで認めましょう、尊重しましょう。
そうできている自分は前時代的な考えの人とは違って
時代に対応できている。そのポーズやアピールのためにいわゆるマイノリティとされる人...続きを読む
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