やまいだれの歌(新潮文庫)

やまいだれの歌(新潮文庫)

693円 (税込)

3pt

中学を出て、その日暮らしを三年半。十代も終わりに近づいてきた北町貫多は、心機一転、再出発を期し、横浜桜木町に移り住み、これまでの日雇いとは異なる造園会社での仕事をはじめた。三週目に入って、事務のアルバイトとして貫多と同い年の女の子がやってきた。寝酒と読書と自慰の他に特に楽しみのなかった貫多に心を震わせる存在が現れたのだった。著者初の幻の傑作長編、ついに文庫化。(解説・山下敦弘)

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やまいだれの歌(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    横浜に移り住んだ貫多のあまりに痛すぎるストーリー。滅茶苦茶面白い、けれどページを捲るのが居た堪れるほどにイタイ、貫多の行状にどこか感情移入する自分がいるのが不思議である。

    0
    2024年05月21日

    Posted by ブクログ

    安定の北町貫多シリーズ。相変わらず職と寝床を転々としていたが、本作では心機一転横浜桜木町へと住まいを移し、新たなスタートを切るが、いつもの癇癪で破綻のカタルシスを読者は味わうこととなる。
    ただ一つ重要な点は、藤澤清造同様、師と仰ぐ田中英光の私小説との出会いがあり、人生の支えを得る点。
    貫多は作中「こ

    0
    2023年09月17日

    Posted by ブクログ

    本は好きだけど金も無く、同僚を見下し職場も上手くいかず、一方的な恋愛(風俗は好む)を押し付けるなど、プライドと閉塞感の塊のような貫太は中卒だった事もある自分には舞台が桜木町という事もあり他人とは思えぬ感情が湧き立つ。この卑小さをどう見るかで作品の捉え方が変わる、つまり読者の人生も問われていると言った

    0
    2023年08月27日

    Posted by ブクログ

    「告白(町田康)」の熊太郎、トリプルファイアーの吉田靖直、そして北町貫多。どうしようもない人たちにしか出せない魅力がある。
    小心者なのにも関わらずプライドだけは人一倍高く、世間とモノの見方が若干ズレている。普段鬱憤を溜め込んでいる故に、お酒が入ると悉く失態を晒してしまう。

    なんでこんなにもダメな人

    0
    2023年06月29日

    Posted by ブクログ

    惨め
     初読み賢太がこの作で好かったなと思へたのは、心底貫多の惨めな境遇に共感したからである。さすがにここまでの人間の屑、下等な片恋や妄想で目茶苦茶に人をこき下ろした事はないが、その心情は過去幾度となく味はった事がある。作中の田中英光の作のやうにどこか突き放した書きぶりで、滑稽さともども自身を丸裸に

    0
    2023年05月07日

    Posted by ブクログ

    いいよ、貫多。最高のローンウルフだよ。
    あの北町貫多がこんなにも愛おしいとはね。

    「苦役列車」と「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」の間のエピソードを読みたいと思った矢先、たまたま手に取ったのが、ちょうど「苦役列車」の後続の話だったとは!!
    「落ちぶれて……」の作中作と同じタイトルだったから何かしら繋

    0
    2023年01月09日

    Posted by ブクログ

    昨年から夢中になって読んでいる西村賢太の作品。
    長編は初めて読みました。
    主人公は、ご存知、北町貫太。
    中卒で、日雇い仕事をしています。
    十代も終わりに近づいたある日、貫太は一大決心をします。
    長年、住んでいた東京都内を離れ、横浜桜木町に居を移すのです。
    日雇い仕事も辞め、造園会社に就職します。

    0
    2023年05月04日

    Posted by ブクログ

    中卒タフ・ガイ、自意識過剰な北町貫多は人生蒔き直しを試みて横浜へ。造園会社へ勤務しますが暴走して自爆。心の支えは田中英光の私小説。読んでいると憂さを忘れるという感覚には恥を逆手に取るというある種の技の示唆を得る効能が含まれているといいます。

    0
    2023年02月18日

    Posted by ブクログ

    どうしても生きにくい人間っている。
    私もかなり生きにくい人間だけど
    北町貫多(というか西村賢太さん)は、私とはまた違う、かなりの生きにくさ、厄介さを抱えて生まれ育ち、不器用にしか生きられず、その業ゆえに早死にしたと感じた。
    男尊女卑的価値観が強くて悪口も多くて今出したら時代錯誤と非難されるに違いなく

    0
    2022年12月04日

    Posted by ブクログ

    故・西村賢太の長編。
    西村自身をモチーフにした北町貫多が19歳の頃。西村自身が生きたのと同じ時代という設定なので、もはや40年近くも前。
    携帯電話などほとんど普及しておらず、少子化も今ほど深刻ではなく、サラリーマンの夫と専業主婦の妻という夫婦に二人以上の子どもというのが「家族」のイメージとして成立し

    0
    2023年10月10日

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