瓦礫の死角

瓦礫の死角

704円 (税込)

3pt

3.8

父親の性犯罪によって瓦解した家族。その出所が迫り復讐を恐れる母。消息不明の姉。17歳・無職の貫多は……。傑作「私小説」4篇。

性犯罪による父親の逮捕を機に瓦解した家族。出所後の復讐に怯える母親。家出し、消息不明の姉。罪なき罰を背負わされた北町貫多は17歳、無職。犯罪加害者家族が一度解体し、瓦礫の中から再出発を始めていたとき、入所から7年の歳月を経てその罪の張本人である父親が刑期を終えようとしていた。──表題作と“不”連作の私小説「病院裏に埋める」、〈芝公園六角堂跡シリーズ〉の一篇「四冊目の『根津権現裏』」、“変化球的私小説”である「崩折れるにはままだ早い」の全四篇を収録。

...続きを読む

瓦礫の死角 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    西村賢太2冊目。べらぼうにおもしろい。
    なんだろう、本人はいたって深刻なのにどうしようもなく滑稽なモノローグの味がとても好きだ。
    「崩折れるにはまだ早い」はオッ、そういうのもあるのか…と思った。

    0
    2023年06月07日

    Posted by ブクログ

    本の題名になっている「瓦礫の死」も面白かったが、僕としては西村賢太さんが師と仰いでいる藤澤清造氏の事を小説にした「四冊目の『根津権現裏』」や「崩折れるにはまだ早い」、そして西村賢太さん自身で書かれた「あとがき』が優作だとおもった。
    今回もやはり西村賢太ワールドに引き込まれてしまった。

    0
    2022年11月26日

    Posted by ブクログ

     相も変わらず露悪的な短篇集。いい歳した高齢フリーターを蔑む若者といった視点は悪いなぁと思いつつ、大学時代の自分がバイト先で抱いた薄汚い気持ちそのものであり、自分が綺麗な人間ではないことをまざまざと感じさせてくれる。
     自分を一般化するわけではないが、コンプライアンスだ何だとどんどん煩くなっている世

    0
    2022年07月09日

    Posted by ブクログ

    惜しい人を亡くして損失大だと思う、日本の純文学の世界。
    相変わらず枯れた純文学調の文体の中に罵声を混ぜたり「アイテム」「ノーサンキュー」みたいなカタカナ言葉を入れて敢えて浮かせて笑いを取るのがうまいなーと思う。今を生きる現代人の感覚と文豪チックな明示大正昭和の感覚がないとあの面白さは出せないと思う。

    0
    2022年06月01日

    Posted by ブクログ

    性犯罪による父親の逮捕を機に瓦解した家族。出所後の復讐に怯える母親。家出し、消息不明の姉。罪なき罰を背負わされた北町貫多は17歳、無職。犯罪加害者家族が一度解体し、瓦礫の中から再出発を始めていたとき、入所から7年の歳月を経てその罪の張本人である父親が刑期を終えようとしていた。──表題作と“不”連作の

    0
    2022年05月15日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2022年2月5日、西村賢太死去。享年54。
    文庫派の不肖な読者だが、残された仕事を、今後も読み続けていきたい。

    ■瓦礫の死角
    「魔太郎じみた性質」!
    ■病院裏に埋める
    「坊ちゃん坊ちゃんした至極誠実で真面目そうな見た目」!
    ■四冊目の「根津権現裏」
    落日堂新川さんの過去ワロタ。盟友なんだか被害者

    0
    2022年05月24日

瓦礫の死角 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

講談社文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

西村賢太 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す