雨の島

雨の島

2,640円 (税込)

13pt

ごく近い未来を舞台に、ウイルスプログラム「裂け目」から送られる親しい人々の記憶と、台湾の自然、動植物をモチーフとして描かれる美しい6つの短篇集。著者自作のカラー博物画6点収録。

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雨の島 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    私が今まで読んできた小説とは違う、新しいもの、知らない感覚に触れた、という読後感があった。これは読書において私がとても大切にしていることだったのでとても嬉しかった。

    この作品だけでなく過去のさまざまな作品も、自分の内部や世界を見つめるために実験的に書いているのかもしれない。著者の後記を読んでそう思

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    2022年07月16日

    Posted by ブクログ

    『「経験の中にないんだ。 前に読んだ哲学書に書いてあった」 阿賢は言った。 「人間は自分の経験の中でしか生きられない。でも今朝の俺たちは自分の経験の中にはいない」 小鉄は自分には永遠に阿賢のようなことは言えないと思った』―『// // アイスシールドの森』

    六つ(プロローグも数えれば七つ)の、バラ

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    2022年05月24日

    Posted by ブクログ

    短編に出てくる人々はそれぞれに欠けているものを抱えているが、それは身体的なものだったり、家族だったり。物語を経て、その欠損は埋まっていく訳でもないのだが、筆者の描くそれぞれの答えは、自然や人間がその欠損に向き合い辿るひとつの姿だと思えた。

    しかし、挿絵も作者、裏表紙の写真も作者撮影。どんだけ才能あ

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    2022年02月02日

    Posted by ブクログ

    自然や生き物に触れたとき、心が沸き立つ感覚がある。
    “Sense of Wonder”

    今振り返れば、あの時の経験が自分をこの道に進ませた、自分をまた生きることに戻らせた、そう感じる瞬間と、様々な物語が出会い、入り組み、紡がれる短編6編。

    コーマックマッカーシーから言葉を一部引用した著者曰く、“

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    2021年11月09日

    Posted by ブクログ

    草や木、海や山、鳥や獣や昆虫に混じって、人が物語を奏でる。
    背景ではなく物語のkeyとして……
    六つの中短編と挿し絵が一冊の物語としてまとまる。
    これは、「ネイチャーライディング(自然書写)とフィクションの融合」だそうです。

    でてくる自然は台湾由来のものを示すが、登場人物の名前は一様に漢字表記では

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    2024年02月07日

    Posted by ブクログ

    雨が降らなくなってしまったために、餌となる虫を食べられなくなってしまった知り合いの鳥「胖胖」のために語った、とされる六つの物語が入った長編小説。
    人とうまくコミュニケーションを取れないミミズ研究者と鳥類行動学者。恋人を失ったツリークライマーと、無差別殺人で妻を失った弁護士。絶滅したクロマグロを探す男

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    2023年09月25日

    Posted by ブクログ

    「自転車泥棒」「歩道橋の魔術師」を読んで惹き付けられた呉明益
    6の中短編はどれも愛するひととの関わりを自然の中でふたたび探ろうとする
    登場人物たちは幸福そうではないが幸福感を得ている
    この小説はネイチャーライティングというらしい
    メルヴィルの「白鯨」が引用されてる
    著者はあとがきで「小説家の責任は…

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    2022年06月20日

    Posted by ブクログ

    近未来の台湾。ミミズ研究に没頭する女、鳥の生態を手話で表そうとする男、恋人がフィールドワーク中の事故で植物状態になった女、亡き妻が書き残した小説を読んでウンピョウに取り憑かれた男など、マジョリティの世界から逸れざるをえなかった人たちが、オブセッションに駆られて山や海にのめりこんでいく。未来のフィール

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    2022年01月14日

    Posted by ブクログ

    ネイチャーライティング、という分野があるらしい。初めて知った初めての作家、呉明益。
    科学、自然、森。成長、恋、後悔、別れ。
    美しい景色が眼前に浮かぶような筆致。
    そして美しい物語。
    深い原生林を漂うような感覚で読んだ。
    口絵もすばらしい。

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    2021年11月23日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『伊与原新 + 恒川光太郎 = 呉明益:えっ、マジ!!』

    ミミズ、野鳥、森、雲豹、クロマグロ、鷹などを題材としたネイチャーライティング小説。自然科学に根ざした細かな描写と独特な世界観は、まるで、台湾版 伊与原新+恒川光太郎 かと思いました!

    0
    2021年12月26日

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