自転車泥棒

自転車泥棒

1,100円 (税込)

5pt

失踪した父と同時に消えた自転車の行方を追う「ぼく」。台湾から戦時下の東南アジアへ、時空を超えて展開する壮大なスケールの物語。

※この電子書籍は2018年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

...続きを読む

自転車泥棒 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    (私が読んだ)呉明益二作目。

    主人公の父の失踪。そして、消えた自転車。

    「それらは、どこへ行ったのか?」
    その答えを探る中におけるあらゆる人々や歴史、その記憶や悲哀との邂逅の物語。

    作中では自転車やゾウといったキーアイテムがあり、それらが人々を出会わせ、自分の人生や歴史について知ることのきっか

    0
    2023年10月04日

    Posted by ブクログ

     台湾人作家の小説には、ある種ノスタルジーを感じる。
     自分自身が体験していないのに、懐かしさを感じてしまう。
     甘耀明「鬼殺し」にも感じた、日本統治時代の台湾に、かつての日本を感じる。
     それは日本人作家が描く明治期の日本よりも日本らしく感じる。
     
     一台のアンティーク自転車をめぐって、本省人、

    0
    2023年07月03日

    Posted by ブクログ

    2021のベストにするか迷ったくらい。
    台湾の博物史や蝶の歴史、戦争,銀輪部隊のことが入り混じって僕の父さんの自転車と絡んでくる。
    再読したい。

    0
    2023年01月07日

    Posted by ブクログ

    もう少し単純なオムニバスを想像して読み始めたので、戦争が作品に暗い影を落としているのは予想外だった。

    いつの時代も争いを始めるのは人間で、動物はそれに翻弄される。第二次大戦でゾウが戦闘に関わっていたことは知らなかった。動物が何を考えているかはわからないけど、リンワンのように戦争の記憶がトラウマにな

    0
    2022年03月17日

    Posted by ブクログ

    21世紀、台湾。小説家の「ぼく」はヴィンテージ自転車の愛好家でもある。古道具屋のアブーを経由して自転車コレクターのナツさんから「貴方が探しているのに似ている自転車を見つけた」と連絡を受けて駆けつけると、そこにあったのは20年前失踪した父と共に消えた〈幸福印〉の自転車だった。自転車をディスプレイしてい

    0
    2022年02月06日

    Posted by ブクログ

    自転車、家族、戦争、ゾウ、チョウ。
    古い自転車を探すことと、歴史を学び直すこと。
    自転車を探すことと、誰かの人生を追いかけること。
    アジア現代史を背景に様々なことを想起しつつ、幻想文学として読んだ。

    0
    2021年11月07日

    Posted by ブクログ

    不思議な小説だ.
    主人公は古い台湾製の自転車の収集マニアである.彼が自転車に執着するのは,どうやら父親の失踪に関係するようだ.父とともに失われた自転車を追い求める物語なのだが,自転車は不思議な運命を辿り,それを追い求める過程で出会う多くの人々の自転車をめぐる物語が積み重ねられる大河小説である.
    「百

    0
    2021年10月22日

    Posted by ブクログ

    失踪した父と共に消えた自転車はどこへいったのか?そんな棘のように消えない記憶を抱え、古い自転車コレクターとなった作者。そこから始まる台湾自転車史から家族と台湾の歴史の壮大な物語。
    父の自転車が作者の手に戻るまでに経てきた持ち主たち、その過程で知り合う台湾先住民族の青年カメラマンのもう一台の自転車、さ

    0
    2024年01月24日

    Posted by ブクログ

    無くなった自転車を探す旅が、時空を超えて様々な語り口で紡がれていく。
    幻想とノスタルジーが心地よく、見たことの無い台湾の風景が浮かんできた。
    たまに何を意味しているのかわからない部分もあったが、それも含めて美しい小説だった。

    0
    2023年10月20日

    Posted by ブクログ

    小説家をしている「ぼく」は、父と一緒に失踪した「幸福」印の自転車を探す。自転車コレクターである「ナツさん」のところで、ついに見つけたその自転車は、父の手を離れたのち、多くの人の手を渡って、「ぼく」のところへと戻ってきた。
    物語は、父の「幸福」印の自転車が巡ってきた人たちの物語をまとめたものである。彼

    0
    2023年02月13日

自転車泥棒 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める 小説

小説 ランキング

作者のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す