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急逝した親友の告別式の夜、その不倫相手と二人で飲んだのをきっかけに、エリカはいつしか彼との恋愛にのめり込んでいく。逢瀬を重ねていった先には何が……。 高ぶるほど空虚、充たされるほど孤独。現代の愛の不毛に迫る長篇。
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Posted by ブクログ
リーダブルなストーリーと細部まで美しい文章、恋とも言い難い割りきれない感情。 丁寧に書かれた小説でした。
自分をだまして寂しさに耐え、忙しさに埋もれ流されるまま年をとっていくよりは・・人間らしいかな、エリカ。
40を過ぎて独身のエリカは親友蘭子の死を機に不倫相手の湯浅と出会う。湯浅の甘ったるい口説き文句に気障なサプライズ。愛してると言われる程に愛されていないと感じる。盗聴していた洸一に自分とは何かを尋ねる。誰もが不毛の愛に悩み、愛を求め愛し愛されようとしている。
小池真理子の中ではちょっと異色な感じがした。 ラストが意外というか、面白いと思う作品にわたしはなかなか巡りあわないので、これはかなりよかった。
結構面白かったです! 20代の私にとっては、40代の働くキャリアウーマンの恋愛は凄く大人の感覚?というか 印象を受けて 感情移入もしやすかったです だけど、同時に男の人の気持ちもなかなか細密に書かれてあって 「あ-、やっぱり男の人だなあ-」と共感する部分も多々ありました 結構印象強い一冊です
急逝した親友の愛人から寄せられるアプローチに揺れる主人公の様子を著した「エリカ」は、彼女が抱く微妙な感情の動きが仔細に表現され、数々のサスペンスものを手掛けてきた作者ならではの心理的描写が際立つ。登場人物の関係性はアントニオーニが監督した「情事」にも通じ、シネフィルの小池真理子があの映画をモチーフと...続きを読むしたように思えなくもない。本作の主題とも言える「愛の不毛」を撮り続けたフィルムメーカーがアントニオーニであることを考えれば、両者の繋がりが見えてくる 世の中に溢れる数多の「愛」のなかに、まやかしではない真実の「愛」は一体どれくらい存在するのか。永遠に手には入らないと知りながらも、それを求めて止まないのはきっとエリカだけに限らないだろう
同じ名前の本なのでいつもは読まないタイプの読んだけど読んでみた。本当の愛を見つけることができない人たちを描いていた。細かく心情が描かれていて共感できるところも割とあった。
恋愛小説読みたいなって思って適当に借りたんですけど、イマイチ。 40代女性、しかも経営者なのにあんな風に口車に乗って恋に落ちちゃうの?なんて思ってしまいました。 シビアかしら。
亡き親友の不倫相手との不倫。タイミングなんだなーと思った。それにしても不倫する男の言葉巧みなこと!旅行にあんだけルンルンしてたエリカ。悪いのは相手なのに、ルンルンしてた自分に落胆。気持ちがわかりすぎた!
恋愛小説の大家の小池真理子です。 読書傾向から恋愛小説は似合わない!と言われそうですが、小池真理子は好きな作家です。 ホラーの『墓地を見下ろす家』を最初に読んで、その後、最高傑作の『恋』を読んで、あ、恋愛小説もヤルじゃねぇかよ!と思ってしまい、結構読んでおります。 この作品『エリカ』は、主人公が4...続きを読む1歳の独身女性。自分でデザイン事務所を経営しているヤリ手の女性です。外見の描写はないのですが、結構な美人で、頭が良く、魅力的な女性。 彼女の親友が亡くなってしまうところから話が始まり、その親友の彼氏との恋愛を描いた作品です。 若い女性が憧れるような聡明なこの女性が、自分の付き合っていた女性の通夜の席で、彼女の親友を口説くようなオトコに恋をしてしまう、という話です。 女性を口説くのに長けた誠実さがあまりないボンボンに、結局身を任せてしまう心の動きが良く描かれております。 それにしても、いくら心が動いていたからって、バラを401本も贈られて感激してしまうとは…。半分嫌がらせ?? 結局いろいろあって、彼女は目を覚ますのですが、きっかけになった若いオトコと、そのオトコをつい誘惑しようとして決裂してしまうところなんか、結構良かったです。 その後、また日常が始まっていくのですが、その後彼女はどのように変わっていったのか? 余韻が仄かに残ります。 オトコの描写が弱いようにもかんじましたが、これでいいんだ、とも思いました。 結局、主人公が自分で盛り上がっていく過程を描いているわけだから、オトコは結局どうでもいいのかな?というかんじです。 だから相手のオトコの扱いも非常に軽薄で軽いものにしたんだろうな、なのでした。 わざと描写を抑えるなんて、なかなか出来ないよなぁ~、です。 やっぱり小池真理子は凄いです!
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