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伯父の経理事務所に勤める私は、顧客の鉄工所経営者が会社解散を決意し、組合側と対立する真っ只中に飛び込んでしまった。その上、経営者がトーチカのような堅牢強固な蔵の中で急死するという事件に遭遇する・・・・・・!?「推理小説には持ちこみ難いユーモアや機智を、それとは目立たぬ程度に配分しつつ、綿密な密室事件を作り上げている」と、大下宇陀児が激賞した著者の長編第一作。
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Posted by ブクログ
再読 題名がはっきり示すとおりミステリ どうしてもその根幹のところが苦しいのだが 作者のどの作品にもみられる陽性の姿勢が わかってやっているのだから有りとさせる 良いとはいえなくとも
4 軽妙で機知に富んだ語り口、“ニヤニヤ”というよりも“ニコニコ”としながら読める希有な作品。真相にさほど驚きはないが、筋立ても見事で、じんわり胸にくる読後感も良し。
「巻き込まれ体質な主人公」「次々に現れるクセ者たち」「密室」と、盛り沢山なミステリ小説。全体的にとぼけた空気が楽しかった。 やたら能天気な前半と真相が明らかになる終盤、改めて読み返すと違った風景が見えるミステリの醍醐味を味わえた。
不朽の名作『大誘拐』の作者のなんと江戸川乱歩賞応募作である。文章を見るにデビュー作とは思えないほど卓越した力があり、その老成振りは現在、数多デビューを飾る新人達と比べると隔世の感がある。 鉄工所の社長が密室の中で殺害されるという純本格的なシチュエーションで始まる本書は終始殺人事件とは一線を画した農...続きを読む村の和やかなムードで進み、解決に至る終章もまたそのムードを一貫して結ばれる。応募作にて既に作者特有の温かみが溢れているのである。 短編集『遠きに目ありて』中の1編にもやむにやまれない殺人を扱った物があったが、原点である本書も正にそのテーマが通底している。ただ技法にクリスティーの例のアレをやっているのは、長編第1作としては気負いすぎではないかと思うのは私だけだろうか。 何せ、登場人物が憎めないのが作者の特徴、というか美点であり本書もその例に漏れない。正に「容疑者達、万歳!!」である。
氏の長編デビュー作。 経理会社の社員である僕が、顧客で会社解散を目論む社長とそれを不服とする労働組合側の争う中。 鉄壁の守りを誇る自慢の蔵の中で社長が急死した。 事件? 事故? あっと驚く真相に引きこまれた一冊。
すごいなぁ。溢れるユーモアといい事件そのものの面白さといいぐいぐい読み進められる。中盤の「女傑」の推理は読んでて聞き苦しかったけど最後に仕掛けられてる真相は驚き。まあこれが一番無難な解決だろうけど。
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天藤真
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