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激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子を出産する。出所後、息子に会いたいあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。
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Posted by ブクログ
熟柿とは、熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時機が来るのを待つこと。言ってしまうと、それに自分の意思はないわけで、時が来るのを待つしかないともとれるわけで。 罪を犯してしまってから、普通通りの生活や息子に会うができるまでの時間がこんなにもかかると思うととんでもないぐらいの時間がかかって...続きを読むしまってる。 これを読んだ方は、ながら運転絶対にダメを心がけるはず。
罪を犯した人間が一生後悔と反省に苛まれて生きていく姿がわかる。怖さもあるが、次が気になり過ぎて休日にどんどん読み進めてしまった
この本が書店に並び始めたころ、友達と「ズクシ(熟柿はうちらの地方ではこう言う)」って読むんかな~とか言いながら物語の話でなく、しばらくこの柿の食べ方で盛り上がりました(笑) この本を買ったのは昨年ちょうど実家からいくつもの熟柿をもらってきた頃でしたが、なかなか読めなくてやっと読めました。なんで早く読...続きを読むまなかったんだろうと後悔した。それくらい興味深い物語でした。 物語の冒頭に出てくる熟柿は何とも不気味なものでしたが、最後のはすごく意味のある希望の持てる意味に変わりました。 読み始めてからずっと、主人公のかおりさんは確かにダメなんだけど、事故当時同乗していた旦那さんと、運転中に電話してきた鶴子とずっとムカついてました。 最初から最後まで旦那にムカムカしていた私。この事故にかかわる刑により我が子と離れさせた旦那…クソだな。まーかおりさんもまー短絡的すぎけど。てか、職業柄こんなくらいの刑罰の人、何人か知ってるけど、ちゃんと刑を終え普通に生活してる人いっぱいいるよ。その時の周りの人の考え方にもよるだろうけど、この話では、旦那側の人たちがひどい。鶴子も自分のことしか考えてない・・・それでも、久住呂さんの手引きで顔のわからない我が子のために働きつづけるかおりさん。だんだんかおりさんの味方になっている自分(笑) 『順調な今だけを見て、やってくる将来から目をそらしていいのか』という言葉が出てくるが。これは、かおりさんだけでなく今の自分の生活と重なりずんときた。 自分も周囲の環 境も変わるしその変化の先を見ながら動いていくこと。若いときは考えもしなかったかな、歳をとってくるとそれだけじゃないな〜と思ったり。 最後のほうはちょっと早く進みすぎたかな。母と子の会話もう少し欲しかった。そして旦那さんに子の前で自分の悔いていることも負い目もすべてさらして謝って欲しかった。 熟柿の意味・・「柿の実が季節になれば熟すように、物事の成就には適した時期がある」 ここらからはかおりさんゆっくりと幸せになって欲しい。いっぱい我が子とも触れ合うことができますように。 てか、本屋大賞これでもよかったかなとか思ってしもた
ひき逃げ事件を起こした一人の女性・かおりの17年間を、淡々と、しかし残酷なまでの解像度で描き出した佐藤正午氏の『熟柿』。安易な共感を許さないベテラン作家の圧倒的な筆力が、静かに光る一冊だった。 物語は、困窮する生活の中で息子の生命保険を払い続け、他者の悪意や理不尽に耐え忍ぶかおりの姿を追う。読者は彼...続きを読む女の選択や生き方に時に焦燥感を覚え、決して心地よい感情移入には至らない。しかし、作者の端正で冷徹とも言える文章が悲壮感を客観化し、物語に奇妙な推進力を与えている。 特筆すべきは、その時間軸の構成の妙である。 章を経るごとに少しずつ未来へと時間が飛び、過去の出来事が事後的に明かされていく。この緻密なプロットコントロールにより、読者は主人公への苛立ちを抱えながらも、ページをめくる手を止められなくなる。 タイトルの「熟柿(じゅくし)」には、「気長に時期が来るのを待つこと」という意味があるという。 一瞬のうちに他者を断罪し、即座に明快な結果を求める現代社会において、本作が描き出す17年という泥臭く断続的な歳月の重みは、私たちの拙速な正義感に静かな疑念を突きつけてくる。 感情に流されず、人間の業と時間の流れを冷徹に描ききった、まさに「格の違い」を見せつけられる本格小説だった。
ゆっくり、深く心を抉られる小説。 これが本屋大賞2位か〜〜1位のインザメガチャーチとは全く違うタイプで、終始気持ちがどんよりした。でも「熟柿」、いい言葉だな、わたしも頭の片隅に置いておこうと思った。
一冊の本を読み終えたというより、長い旅を終えたような気持ち。 最初は遠いどこかの誰かの話を聞いているようで、登場人物の境遇にも現実味を感じられず、あまり感情移入できなかった。 それでも読み進めるうちに、少しずつ物語との距離が縮まり、後半では思わず涙。 ずっと想い続けていた気持ちが、実は一方通行...続きを読むではなかったと分かる場面では、それまでの時間を思い返して胸がいっぱいになった。
熟柿(じゅくし) 「熟した柿が自然に木から落ちるのを待つ」という様子から、「焦って行動せず、時期(好機)が来るのを気長に待つこと」 本屋大賞2位で話題だったので読んでみた。熟柿という言葉は初めて知ったけど良い言葉だなと思った。 私だけかもしれないが、序盤の方のかおりはヒステリックっぽい印象を受けてし...続きを読むまって少し苦手だったけど、西に行くにつれて苦手じゃなくなった、感情移入できた。 あのとき車を降りてたら…あのときくじゅうろさんを待っていたら…人生はタラレバ(後悔)だらけだけど、希望もあるよと思わせてくれるお話だった。
中盤のくどくど、じめじめ、うじうじとした空気はとてもしんどかったが、最後はじんわり良い心地になった。 息子はちょっと大人び過ぎてると思う反面、考えざるを得なかった環境なのかなとも。あと恋愛要素は、いらんかな。
終始、夫の身勝手さと狡さが腹立たしくて、こんな人間と早々に別離できてかおりはある意味幸運だったとさえ思った。周囲の人達の思惑に安易に流されての浅慮で自業自得な様子は哀れだったけれど、子供の存在が唯一のモチベーションとなって、各地を転々としながら逞しく生き残っていく物語は読んでいて気持ちが良かった。
「熟柿」 熟した柿が自然に落ちるように、時機が来るのを待つこと、物事の成就には適した時機があるという意味なのか。 罪の重さは1人で背負おうが、何人で背負おうが変わる物ではないが、拓のためにはこれしかなかったような気がする。 出所を待って家族で背負って行けば少しは軽くなるのかもしれないが、かおりの天職...続きを読むと理解してくれる人達との出会いは、結局罪を1人で償った結果のものだ。つまり機が熟したのだ。 だが! 実際は歳を重ねてくると熟柿まで待てそうにない! 青柿なのにもぎ取ってしまわねば時間が無いかもとせっかちな思考になる。来年またその柿がなっているか⁉︎とも思ったりする。あーあ。 梅もマンゴーも熟したら落ちる。 だからと言って、「熟梅」「熟マンゴー」では読む気にならないかあ。
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