イングランド生まれのジョン・ロックによる政治論・国家論『市民政府論』
この書はのちのアメリカ独立宣言やフランス革命思想の元になった歴史的名著である。
ホッブスの『リヴァイサン』に対して、
ロックは人間は本来ほっておいたら仲良くしているという前提に立っているところが一番の相違点。
自由主義や民主主
...続きを読む義の父といえる存在である。
また、ロックは別の著書『寛容についての手紙』で政教分離という極めて明瞭な思想を展開しこれもまた非常に面白い本だが、聡明な人物だ。
人民と国家との在り方を書いたこの本には、
今読んでも古びていない内容であり、
欧米の国家の様相はこの本抜きでは語れないといえるだろう。
万人は本来的に平等であり、自身の自由、財産、生命を所有し守る権利。
古代ローマのカエサルの時代にはこのような概念がまだなく、膨張する国家に対して帝政なる国家体制を敷いていったが、
それでもやはり一人の人間に権力が集中し世襲していくタイプの政治では、遅かれ早かれ愚帝が現れた時点で衰退に向かっていくのだろう。