アイドルのダンスがグループアイドルのキャラクター性や衣装との組み合わせを考慮しているのは当然として、(歌のカラオケに当たる)振りコピにまで考えを及ぼしながら作られているとは知らなかった。
残念ながら著者当人の想いが十分に文章に落とし込まれているとは言えないが、それでもアイドル達を輝かせ、そしてファ
...続きを読むンまで踊らせることが可能なアイドルの振り付けに対する著者の情熱は強く伝わってくる。
加えて著者のアイドルを愛している様子が文章からにじみ出ていて、その点でも好感を持てるし、読んでいて非常に安心できるし微笑ましく思えた。
文章が今ひとつな分、対談はいい感じで、東京女子流のディレクターと衣装担当者との対談や、コンテンポラリーダンスをやっている著者の友人との対談も非常に興味深く読めた。
特に後者のそのダンスを一度しか観ないコンテンポラリーダンスの観客と、同じダンスを何十回も観るアイドルファンに対するダンスの設計の違いや、アイドルのキャラクター性の発露の仕方などの話は、ダンスやアイドルだけに限らず、広くエンターテインメントについての参考になる話で、とても楽しめた。
それにしても文中で何度もPerfumeについて触れられていて、彼女たちのアイドルダンスの完成度の高さを思い知らされたのだった。