日経新聞で流通担当をしていた記者の著作。セブンイレブンジャパンの初期から、隆盛誇る現在までの様々な施策を当時の人物からの取材を中心に丁寧に記録している。
日本にはコンビニが多く存在する現在ではあるが、個人的にもセブンイレブンの商品のクオリティ、種類の豊富さ(欠品の少なさ)は他よりも群を抜いていると思
...続きを読むう。それを支えているのは、本部が主導する消費者目線からの商品、流通、会社の仕組みなどあらゆる領域の徹底した研究、革新と、アウトソーシング、フランチャイズ、資本政策など理由を明確にしたビジネスモデルへのこだわりであると思う。
全くの新興勢力が、大手スーパーの傘下で、かつ様々なベンダーとビジネスをしていく上では、情に流されたり、トップのメンツのための曖昧な妥協策も起りそうなものだが、徹底してお客様のためかどうか、経営効率を維持できるかという視点で判断しておりぶれない。セブン銀行のATMの成功も、海千山千の金融業界を相手に交渉して勝ち取ったが、その中でも決して圧力にまけず、「お客様に近い」自社の強みを武器に戦っていた。
そしてPOSシステムとバーコード。何をやらなければいけないかと明確にしてそれをあきらめずに他社を巻き込んでいく。そしてそれをWIN-WINとなるように仕組みを作っていく。世の中のできることだけに反応している会社が多い中、セブンイレブンの一番の強さの象徴だと思う。
現在の自分の会社や職場で、このような日々の顧客目線からの革新が行われているか、もっといえば検討しているか、そう考えるとまだまだまだまだ不足していると感じた。