やっと読めた
最終巻を読むのには大抵、時間を要してしまうのが私の悪い癖
ただ、この『世界鬼』は完結を認めたくないって、漫画読み特有の感覚だけでなく、むしろ、気分が爽やかになる終わり方じゃないのが、これまでの展開から容易に想像できたからだ
どちらかと言えば「読みたくないなぁ」と、漫画読みとして、あるま
...続きを読むじきキモチすら持ってしまっていた
ただ、読まなかったら読まなかったでスッキリも出来ないので、覚悟を決めて読んだ
案の定のラストだった
さすがに、ほぼ一年前の作品なので、未読の人間は(1)から読んでいない人間以外にはいないと思うが、一応の注意としては、空腹時に読まない方がいい。確実にトイレに駆け込んで、便器とお喋りする羽目になる
残酷な描写はあるにはあるが、『職業・殺し屋』ほどじゃないし、精神的なエグさで言えば、『不能犯』の方が勝っている。しかし、どちらも読んでいる私ですら、久しぶりに吐き気を覚えた
「面白い」や「正しい」もしくは「根本的に間違っている」って感想云々は抜きで、名作と評されるべきである少年漫画なのは確実
無邪気な愛は、純粋悪を内包している、それが端的な印象
人間の命の軽さと、何にも代えられない価値に対して考えさせられる
遺伝じゃなく、環境こそが、人間の中に最悪かつ最低のバケモノを作り出す、そんな陳腐な感想が浮かぶヒロインだったな、あずま嬢は
しかし、彼女の生き方、死に対する観点が人間的に間違っている、とは言い辛い。何と言うのか、生物として純粋だ、彼女は。この世界には、善も悪もなく、二つが混ざり合った混沌もしくは虚無で満ち溢れているな・・・
そんなヒロインが活躍する作品を見事に完結させた岡部先生の『グッドナイトワールド』の(2)が出たそうなので、様子見していた(1)と一緒に買おう
どの回も強烈の一言に尽きるが、EPISODE.92「ハッピーエンド」に比べたら、まだ可愛げがある。改めて、ここまでヤバいヒロインもいないな、と笑うしかなかった
この台詞を選んだのは、ストンと心に落ちてくる説得力があったから。どんなに綺麗事や大層な野望を持っていても、人の腕は伸ばせ、掴め、抱き締められる限界がある。それなら、いっそ、これくらい、清々しい独善的な愛を示す人間の方が信用できる