子ども自身が苦手分野を自己理解していくため、それをサポートする親のための本。
ワーキングメモリーが…!とか上から降ってくるような言葉ではなく、書き方はとても丁寧で優しく、難しくない。
発達障害治療における薬物・行動・環境の3本柱の中でも、行動療法と環境整備に特化している。これは、小児科や小児心療内
...続きを読む科だとどうしても投薬中心の話題となってしまうことが多く、親として喉から手が出るほど欲しい内容。
薬にはあまり頼りたくない、最低限にしたいと考えられている親御さんに強く勧められる。
ADHD、ASD、LDを過度に分け隔てることなく、全般に効果的な手立てが見開き2ページで紹介される。発達障害は複合的に特性が出やすく、子どもだと余計に判別しづらいので、これも嬉しいポイント。
「字がはみ出る・雑に書く」→「丁寧に書かかせよう」→「そのための声かけは…」
といったように、生活・学校など場面ごとに分けられた構成なので、どこからでも読める。また逆に、我が子の「出来ていること」を確認するのに使うのも良い。その親子にとって合ったものだけを実践していけば、きっと自己肯定感爆上がりの未来にたどり着ける。そう信じたい。
最終章は、突然参考書の解答ページのように安い印刷紙になっていて、小難しいことはそこにまとまっていた。困っている当事者や、読者のことをよくよく考えてくれている、長く手元に置きたい良著。