ユーザーレビュー びんの悪魔 R・L・スティーヴンソン / よしだみどり / 磯良一 ハワイ島に住んでいる男、話の中ではケアウエと呼ばれる水夫の世にも不思議で力強い物語。 彼はサンフランシスコで、美しいお屋敷に住む男から一ぴきの小鬼が入っている瓶を買った。その瓶は、寿命を延ばす以外は持ち主の願い事をなんでも叶えてくれるという。ただ一つの欠点は、瓶を売る前に持ち主が死ぬと永遠に地獄の炎...続きを読むで焼かれるということである。しかも、自分が買った時より安くしなければ売ることが出来ない。 瓶のおかげで、ケアウエは、ハワイに庭付きの立派な家を持ち、その後、瓶を水夫仲間のロパカに売って、幸せに暮らしていた。ある日、ケアウエは友人宅からの帰り、浜辺で美しい娘コクアと出会い、二人は恋に落ち、結婚する約束に。はしゃぐケアウエだったが、お風呂に入って自分の体に、伝染病ーそれも不治の病ーの印を見つけしまう。ケアウエは愛するコクアと結婚するために、小鬼が入った瓶を探しに出かけて・・・ この後は、とても面白い展開になっていく。 短編なのに、読み応えがあった。 後半は、ケアウエとコクアの愛ゆえの行動の力強さと、一方で不安に押し潰されジリジリしていく人の弱さが描かれる。 新型コロナウイルスの報道が連日続くこの頃、私はケアウエとコクアの不安と孤独をヒリヒリと感じた。 Posted by ブクログ びんの悪魔 R・L・スティーヴンソン / よしだみどり / 磯良一 中編でも、読み応えあり! かきわけるように、物語のなかに進む・・・ ときどきは、こわくなって、同じ場所で何度も足踏みしながら、 進むのをやめられない。 登場人物の行動におどろきながら、 自分のこころと照らし合わせる。 物語って、こうでなくちゃ。 Posted by ブクログ びんの悪魔 R・L・スティーヴンソン / よしだみどり / 磯良一 ハワイが舞台だと聞いて読んでみました。 百ページで小学生でも読みやすい童話。 スティーブンソンの書いたものにはずれはありませんね。日本語に訳されて良かった。良い物語でした。 Posted by ブクログ びんの悪魔 R・L・スティーヴンソン / よしだみどり / 磯良一 どんな願いでも叶うびん。びんの中には悪魔。 ①誰かの不幸と引き換えになっている場合もある。 ②買った値段よりも高く売らなければならない。 ③そのびんを持ったまま死ぬと、永遠に地獄の炎で焼かれる。 そのびんの最後の持ち主に自分がなれば、愛する人が救われる、それしか助ける方法はみつからない――だとした...続きを読むら、どうするだろう。 自分の子どもの変わりになら、なれるかと思う。 でもそのほかのだれかのためには、とてもできないな。 やってしまったら、恨んで、自分が悪魔になってしまいそう。 Posted by ブクログ びんの悪魔 R・L・スティーヴンソン / よしだみどり / 磯良一 はらはらしながら読み進められて楽しかった。所要時間1時間半ほど。 読んだ直後は「あーよかった」だけだったが、最後の訳者あとがきでこの物語の奥の深さに気づくことができた。 宝くじを当てて人生が狂う人と同じように、主人公もおかしくなるかと思ったが人への愛情のためにそうはならなかった。これは自己犠牲、隣人...続きを読む愛の精神によって地獄行きから免れることができるということなのだろうか。 話の途中、咳をしている老人との売買契約の際に、老人の願い事によって小鬼の呪いが消えたのではないかとも考えたがどうだったのだろう。またびんを手にして願い事をかなえ、びんをうまく手放した人たちはその後どうなったのだろう。幸せになったのだろうか。誰かとディスカッションしたくなる本だった。 Posted by ブクログ 磯良一のレビューをもっと見る