【要点】
・子どもを褒める事は大切だが、褒めるアプローチは万全ではない。
褒めることによってかえって子どもが苦しんでいる状況がある。それが、「世界からの押し返し」の不足。
世界の返しが不足すると、思い通りにならない場面への強烈な拒否感から不適応になりやすい。また、大人も世界からの押し返しになって
...続きを読むいない関わりがある。
その結果、ネガティブな自分を受け入れない子どもたちがいる。
・従来の不登校は登校刺激を与えず、ゆっくり休ませる方式が有効だった。しかし、今ではそれでは改善しない事例が増えている。
・理由
世界からの押し返し不足がポイント
思い通りにならないことに耐えられない子どもたち、また大人も世界からの押し返しを外注(自分の子を親が叱らず、鬼からの電話←アプリ などですり替える)、子どもの現実を加工、子どもの環境操作する事例がある。(親も教師も)
その結果、ネガティブな事例を受け入れない子どもたちが「できない」と思う場面に直面すると、不登校になる
★環境への過剰適応も、心の奥底にある自信のなさが関係している。自信のなさが明るみにでないよう、指摘されないように環境に過剰に適用しようとする。
幼い頃から周囲に対して気を張って生活すると、自然と周囲の人の顔色や機嫌を察知し、自分が周囲から批判的な形で扱われないように振る舞うよう調整している。
処世術とも言えなくもないが、不安や恐怖に基づいたものだから、非常に緊張感が高い。そして疲れやすく、状況の変化に敏感で打たれ弱いと言う特徴もある。感覚的には目の奥に緊張感があるような感じ。
一見して非常に規範的で問題がないように見えるため、周囲は「こんなにしっかりした子が苦手なものから逃げるはずがない」と言う印象を抱くことも。
・特に女子に多いが、「本当に信頼できる友達がいない」と語ることも。
(一見して良い関係を築いているように見えても。)
それは彼女らが、自身の欲求を抑えて、周囲に合わせた姿で対人関係を築いており、心の奥では「本当の自分を出したら、友達は受け入れてくれないだろう」と感じ取っているため。
・反抗期がない子ども
理由①子が先に親子関係の段階に進んだのを敏感に感じ、親はすぐに子と同じ段階に進み、段階のズレを解消すれば、子は反抗する必要がない
5つの段階
①親がこの手の届く範囲に置く段階(1歳位まで)
②親が子を手あるいは声の届く範囲に置く段階
(1歳から小学校に入るまで)
③親が子を信じ、期待する段階(小学校時代)
④親が子と距離を取り、子の判断に任せる段階(中学生から大学生くらいの時期)
⑤親と子が対等になる段階(大学生以降)
(例
③親が信じ、期待する段階に子どもはきているのに、②親が高め、あるいは声の届く範囲に置こうとするから反抗する。)
理由②親子揃って年齢にそぐわないような低い段階でとどまっている場合は、良くない。
(例
毎日の学校の荷物や修学旅行の用意を親がすべて用意するケース→ ①の段階)
・褒めて伸ばすつもりが、いつの間にか子どもの問題を指摘しないで、ネガティブなところを示さない形に変質してしまっていることも
・親を始めとした周りの大人が自分の責任の範囲を理解し、それを守っている姿を見せること。
子どもが自分の責任の範囲を踏み超えた時に注意すること。
そこで出てくる子どもの感情を受け止めることが大切。
・「思い通りにならないこともある」経験が大切
・子どもが「ネガティブな自分」に向き合うことが大切
その上で大人は「ダメでも大丈夫」と伝える
・親の要求を聞いている中で、学校が受け入れたことを書面に示せと言うパターンも見られるが、書面を出すのはその時点での合意内容と言うことを強調しておく事は重要。
なぜなら、子どもの状態は日々変わり得るものであり、昨日まで適切だった対応が次の日に不適切なることもザラだから
・×「今日の体調はどう?」と過剰に聞きすぎる。
子どもが身体症状を手放せなくなる。
◎「今日の気分はどう?」「学校に行くのが嫌な気持ちはある?」のように、体よりも気分、気持ちに焦点を当てる聞き方をする方が望ましい。
・テスト
「悪い点数を取るあなただからといって嫌いになる事はないし、悪い点数を取るあなたも大切なんだから、ちゃんと見せて欲しい」と伝えることが大切。