引越してくると「この館から出ていけ」と脅迫状が届き… 純度満点の古典本格ミステリー #禁じられた館
■あらすじ
事業で成功を収めている富豪が、立派な館に引越しを決める。ただし、かつての所有者が不幸になってしまったという怪しげな館であった。
そんな彼のもとに「この館から出ていけ」との脅迫状が届くので
...続きを読むあった。
■きっと読みたくなるレビュー
久しぶりに古典ミステリーを読ませていただきました。
まさに本格ミステリーで、脅迫状、怪しいキャラクターや個々の思惑、不可能犯罪の発生、探偵による様々な解法の提示、そして衝撃的な真相…
1930年代のミステリーですって。いやー素晴らしい。
まだまだ古典は読み切れてないんですが、こんな良作を発掘&翻訳していただいて、ファンとしては大変ありがたいです。
謎解きの設定自体は比較的オーソドックスですが、展開がいいですね。次々登場してくる刑事や弁護士などの探偵役が翻弄されていく様がお見事。
さらに曰くありげな登場人物たちがイイ!
みんな弱い人間ばっかりで、いまにも犯罪起こしそう。全員が怪しすぎるっ
そして事件当夜の描写が震えるんですよ。古い白黒の映画を見ているようで怖い怖い。
謎解きも綿密で、ひとつひとつがロジカルで本格ミステリーの重厚感たっぷりでてる。真相もはぁ?という驚きとともに、一方でなるほどなぁ~と思わず声に出してしまうほど納得感が高かったです。
読み応え十分、純度満点のヴィンテージミステリー。楽しく読ませていただきました。
■絶賛推しポイント
本作は序盤の引き込みがスゴイんですよ。
館に引越して来たら「この館から出ていけ」って脅迫状が届くんですよ。
でも当の主人は、そんなの知らねーよって居座り続ける展開。
ついに殺害予告の日が近づいてきて…
これは熱い!本格ミステリーファンとしては読み手が止まらなかったですね。