臨床心理士であるクロエは、20年前に父が連続殺人犯として逮捕されるという重たい過去を背負っていた。
だがその傷を乗り越え、またそのことがあったからこそ心理士という職に就いたのかもしれなかった。
そのクロエが結婚を控えている最中に彼女の周りで少女を狙った連続殺人事件がおこる。
何故か父と同じ手口なよう
...続きを読むで、彼女は混乱する。
いったい、誰が?何故?父の模倣犯なのか?
接触してきた記者は信用できるのか。
婚約者には過去の全てを話しているから彼なのかもしれない。
そういえば、彼の家族のことは知らない。
婚約者をよく思わない兄のことも気にかかる。
兄は、何か知っているのか。
施設にいる母は、喋ることができない。
父に会いにいく気はない。
精神的にまいっているなか薬で凌ぐ。
記憶が曖昧、過去のことか現実か。
危機迫る場面が幾度かあり、ラストに驚きが…。
最初から父の事件では遺体は見つからず、父がことばを発することはほとんど皆無と言ってもいいくらいだった。
嘘で罪を背負ったとしても後悔はしない。
自らの自由を犠牲にしても。
母もまた覚悟を決めたのだろう。
だがそれも辛く苦しい選択だ。
クロエの心理的状況が危機迫るほどに描写されていて、苦悩する様子がとても伝わってきた。