中学生の頃、理科の定期テストでクラスのトップの成績を取ったことがあった。その時に先生は言った。「女の子でも、これくらいの点数が取れるのに(男子は何をやっているんだ)」
高校生の頃、今で言う物理基礎の定期テストで満点を取ったことがあった。その時は男子も満点の子がいたが、他の男子からチラチラと私の方を見
...続きを読むながら、ひそひそと何か言われていたのを覚えている。
結局私は文系に進み、それを後悔したことは、あまりないが、そのまま理系に進んでいたら、どうなっていたかな、と思うことはある。
中学の頃の先生の発言は今ではアウトだと思うが、社会風土のようなもの、みんなが思っているだろうと人が想像することは、あまり変わらないのではないかと思う。
私が中学生の頃に人気があったアイドルグループは女性に求めるものとして、はっきりと「男を立てる女」と言っていた。結婚するときにも家庭円満にするには「女性がうまく男性を動かすようにすればいい」、育児の時も協力させるように「夫を育てる」。
女性は対等なパートナーである、苦楽を共にするという意識があれば、上記のような言葉は出ないんじゃないかな、と思う。男性が家族を養って当たり前という意識もおかしい。
女性が理系に進まない理由に中学生の理科離れが原因としてあるようだと、本書に紹介されたデータが示している。本書ではたくさんのデータが提示されており、非常に興味深い。データを解き明かすことはまだ先になりそうではあるが、女性だから理科が出来ない、ということはないのだから、理科が好きな女性は、その好きだという気持ちと学び続けたいという気持ちを他の何物にも邪魔されずに突き進む道筋がもっともっと示されてもいいと思う。