人類がVバース世界の中でアバターとなって活動できる社会。純粋にアバターの自分を楽しんでいる人もいれば、牧野のように首から下は動かさなくともVバース上では自由に動くことのできる人もいる。
SFな社会だが、近い未来こうなってもおかしくないと思う。
少女は一体なぜ記憶を失ったのか、さらに痛覚情報が無いは
...続きを読むずのVバースの中で、なぜ少女だけが痛みを感じるのか、さらに牧野の恩師の謎の死等次から次へと事態が起こり、一気読みだった。
難しい用語も出てきて理解し難い箇所もあったが、置いてけぼりにされることもなく面白かった。
それにしても、黒幕があいつで良かったと思う。黒幕以外の人物たちに愛着が何となくあり、この人たちが裏で糸をひいていたなんて結末になりませんように…と祈る気持ちだった。自業自得な結末も溜飲が下がる。
科学の進歩のためなら、生身の人間でなければ犠牲にしても良いという考え方は恐ろしい。
タイトルがまさにエリカの今後の行先を示しており、良かったと思えるのだが、有り得なかったはずの未来を仮想空間で構築できてしまう世界とはどんなものなのだろうと少し考えてしまう。
仮想空間から現実へ戻りたくなくなるのではないだろうか。
本庄や篠原ら特にエリカに思い入れが強い人物たちが、この先自分の人生をしっかり生きていけると良いと思う。