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ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
今年の課題図書ですが、まずこの装丁に一目惚れ。こんなに綺麗な装丁初めて見ました。
紅色の花をつけた一面の蓮の花の上に、半透明の白のカバーがちょうど朝もやのようで、溜め息が出るほどの美しさ。まさに作中に出てくる夏の朝の光景を見ているよう。
カバーをめくってみるとわかりますが、実際に描かれている蓮の花ははっと息を飲むぐらい色鮮やかなんです。もう、この装丁を見ただけで買って手元に置いておこう!と思いました。
本田さんの心が洗われるような綺麗な文章にぴったりのイラスト。挿絵があるのも嬉しかったです。
ストーリーもすごく良かった。小さい頃ときどき遊びに行った母の実家の匂いみたいなものをなつかしく思い出 -
Posted by ブクログ
ネタバレ蓮が咲くころに想い出しては読みたくなる物語です。
装画は美しい蓮の花が描かれ、半透明のカバー越しに蓮がぼんやりと透けるようにみえる。それは蓮にまつわる不思議な物語にいざなう扉のよう。
莉子がおばあちゃんの家で時を遡る5日間の物語。
そこで出会うのは祖父。
祖父にとっては少年期、青年期、壮年期、老年期、そして最期を迎える時と人生全般で5回出会った少女。その少女は孫だったのだと気づく祖父のもうひとつの物語がまたおもしろい。
莉子の過去への旅は偶然ではなく必然だったのだろうか?
祖父亡き後、壊されようとしている家や蓮の池は『あるべき場所にあるはずのもの』が消えようとしている。
祖父から莉子へと