決済に関する見識を広げることができる。
朧げながら決済の世界の広さ、深さ、複雑さが垣間見え、その過程でいろいろな気づきがあった。
・ビットコインは世界の通貨になり得ない。なぜなら世界に通用する決済が直面する「善悪に基づいた締め出し」にビットコインは無力だから。
・決済の世界が対峙する課題は大き
...続きを読むく分けて二つではなかろうか。
一つはマネロン、賄賂、租税回避といった善悪の悪を懲らしめる(決済させない、してもバレる )こと。
もう一つは決済金額、決済スピード、決済頻度、地理的スケールの拡大という難題を叶えながら決済システムの靱性、回復力をも含めて安定させること。
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・ビットコインのような決済プロセスをトラストレスにする技術は決済リスクを抑えることはできても、犯罪リスクはコントロールできない。言い換えれば、決済に対する善悪の価値観を一切持たないし持てない。
・金融システムは超巨大な鉄道網。幹線・支線があり、ターミナル駅・ローカル駅があり、車両がある。ネットワーク。一箇所の故障がダイヤ全体を乱す(ある銀行の破綻が全体に波及)
・ただし鉄道というほど、標準化は進んでない。各国や地域がそれぞれの慣習や経路依存性などに基づいてボトムアップで作り上げた金融システムを節目節目のゲートウェイ(ターミナル駅)でコストをかけて変換して無理やり繋いでいる感じ
(スウィフトは除く)
・クレカの決済モデル
4コーナーモデル
PayPalやストライプはこのモデルの中で優位なポジションを築き、一大フィンテック企業に。
・オープンか、クローズドが
企業が儲けるにはシステムはクローズドであったほうが都合が良い(アリペイ、ウィーチャットペイ、グーグル、Facebook 、VHS vs ビデオテープ、アプリストア )
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お金、文字、宗教
先史時代の部族の規模を超えて機能することを可能にしたもの
デジタル・アナログ、グローバル・ローカルの二軸
国境を越える決済のほとんどは15の銀行のいずれかが携わっている(N=25000)
ウィキリークス
→法で捌かれた訳でもないのに民間企業(PayPal、VISA、マスターカード)が寄付の経路を封鎖。
法律上での"決済"
→負債を免除する方法
価値の移転につきまとう3つの課題
リスク、流動性、慣習
決済リスク→支払い先が倒産して商品を受け取れない
詐欺リスク→なりすまし、踏み倒し等
決済の主役の推移
銀行と現金→クレカ会社とクレカ→フィンテックとモバイルウォレット
あらゆる決済手段の中で、現金は圧倒的に犯罪者に好まれる
中央銀行の貨幣増量
・印刷している訳ではない
・商業銀行から預かった準備金を増やしている(帳簿への追記)
現金容認派の意見
・デジタルシステムの停止リスク
・金融システムへのアクセシビリティの低下(銀行口座、端末、ネットワーク...)
4コーナーモデル
・カード使用者
・加盟店
・カード発行銀行
・加盟店銀行
→4つのアクターのプロセスでクレジット決済が実現。カード発行銀行、加盟店銀行はそれぞれ手数料を受け取る
カード発行銀行の儲けのおこぼれ
→空港ラウンジ、ポイントシステム、キャッシュバック等等
国際送金
・コルレス銀行
・実際にお金が国境を跨いでいる訳ではない
・各領域内で、銀行同士がコミュニケーションをとって帳尻合わせしている。
・帳尻合わせには異国の通貨が必要→外国為替の実需
スウィフト
・専用のスウィフト端末がある
・1日3000万通ものメッセージ
無摩擦決済
→痛みがなければ支出は増える。UIUXを洗練させ、人々の支払っている感をとことん減らす。
例:ウーバー、ワンクリック購入、ゼロクリックサブスク更新
CBDC
・民間銀行の流動性を奪う
"決済の未来をめぐる競争はすでにはじまっており、誰しもビリにはなりたくない。中央銀行は主導権を握りたいし、銀行は利益を上げたいし、テクノロジー企業は成長したいと願っている"
航空会社のロイヤリティプログラム(マイル)
・必要マイル数を増やしてインフレ→航空会社の負債をなくす
・失効済ポイント=丸儲け
・顧客はプログラムを続けるか、やめるかの二択しかない
・マイルはクローズドな通貨システム
EU :
数多の規制、規制当局が多過ぎて銀行は決済ビジネスの開拓に苦労。
決済の元締めは武器になる。
金融制裁、スウィフトからの締め出し
決済ができない→お金のやり取りができない→ビジネスができない→経済の停滞
基軸通貨ドルの"強さ"