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ビジネスも戦争も犯罪も 「決済」を制する者が勝つ! 世界の決済コストはロシアのGDPに匹敵? 100ドル札の7割は米国に存在しない? 北朝鮮ハッカー集団の鮮やかな詐欺手口とは? イスラム独自の海外送金方法「ハワラ」って何? SWIFTの元CEOが解説する 「支払い」の歴史・仕組み・未来
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Posted by ブクログ
すごく面白く勉強になりました。 日常生活の裏側にこれほど広大な決済の世界があることを知り驚きました。ロシア銀行のスウィフト除外や、中国、ケニアのモバイル化など、これまで点でしか見えなかった世界が、決済の全体像や歴史的背景を通して、線として理解することができました。ただやはり、個々のパートでは、「理解...続きを読む出来ていないなあ」と思えるところも所々あり、今後、ニュース等で関連する出来事があれば都度振り返り、理解を深めていきたいと思いました。 本書は、【世界は決済で回っている】ことを実感できるバイブル的一冊だと思います!!
決済についての概要、歴史、エピソードで全体像を紹介した本だが、SWIFTの元CEOだけあって、極めて優れた類書でも第一に取る本になっていると感じる。 ほんとによく分かっている人の書いた本は、明晰で解りやすいという法則がこの本でも実感できた。
決済に関する見識を広げることができる。 朧げながら決済の世界の広さ、深さ、複雑さが垣間見え、その過程でいろいろな気づきがあった。 ・ビットコインは世界の通貨になり得ない。なぜなら世界に通用する決済が直面する「善悪に基づいた締め出し」にビットコインは無力だから。 ・決済の世界が対峙する課題は大き...続きを読むく分けて二つではなかろうか。 一つはマネロン、賄賂、租税回避といった善悪の悪を懲らしめる(決済させない、してもバレる )こと。 もう一つは決済金額、決済スピード、決済頻度、地理的スケールの拡大という難題を叶えながら決済システムの靱性、回復力をも含めて安定させること。 ーーーー ・ビットコインのような決済プロセスをトラストレスにする技術は決済リスクを抑えることはできても、犯罪リスクはコントロールできない。言い換えれば、決済に対する善悪の価値観を一切持たないし持てない。 ・金融システムは超巨大な鉄道網。幹線・支線があり、ターミナル駅・ローカル駅があり、車両がある。ネットワーク。一箇所の故障がダイヤ全体を乱す(ある銀行の破綻が全体に波及) ・ただし鉄道というほど、標準化は進んでない。各国や地域がそれぞれの慣習や経路依存性などに基づいてボトムアップで作り上げた金融システムを節目節目のゲートウェイ(ターミナル駅)でコストをかけて変換して無理やり繋いでいる感じ (スウィフトは除く) ・クレカの決済モデル 4コーナーモデル PayPalやストライプはこのモデルの中で優位なポジションを築き、一大フィンテック企業に。 ・オープンか、クローズドが 企業が儲けるにはシステムはクローズドであったほうが都合が良い(アリペイ、ウィーチャットペイ、グーグル、Facebook 、VHS vs ビデオテープ、アプリストア ) ーーーーー お金、文字、宗教 先史時代の部族の規模を超えて機能することを可能にしたもの デジタル・アナログ、グローバル・ローカルの二軸 国境を越える決済のほとんどは15の銀行のいずれかが携わっている(N=25000) ウィキリークス →法で捌かれた訳でもないのに民間企業(PayPal、VISA、マスターカード)が寄付の経路を封鎖。 法律上での"決済" →負債を免除する方法 価値の移転につきまとう3つの課題 リスク、流動性、慣習 決済リスク→支払い先が倒産して商品を受け取れない 詐欺リスク→なりすまし、踏み倒し等 決済の主役の推移 銀行と現金→クレカ会社とクレカ→フィンテックとモバイルウォレット あらゆる決済手段の中で、現金は圧倒的に犯罪者に好まれる 中央銀行の貨幣増量 ・印刷している訳ではない ・商業銀行から預かった準備金を増やしている(帳簿への追記) 現金容認派の意見 ・デジタルシステムの停止リスク ・金融システムへのアクセシビリティの低下(銀行口座、端末、ネットワーク...) 4コーナーモデル ・カード使用者 ・加盟店 ・カード発行銀行 ・加盟店銀行 →4つのアクターのプロセスでクレジット決済が実現。カード発行銀行、加盟店銀行はそれぞれ手数料を受け取る カード発行銀行の儲けのおこぼれ →空港ラウンジ、ポイントシステム、キャッシュバック等等 国際送金 ・コルレス銀行 ・実際にお金が国境を跨いでいる訳ではない ・各領域内で、銀行同士がコミュニケーションをとって帳尻合わせしている。 ・帳尻合わせには異国の通貨が必要→外国為替の実需 スウィフト ・専用のスウィフト端末がある ・1日3000万通ものメッセージ 無摩擦決済 →痛みがなければ支出は増える。UIUXを洗練させ、人々の支払っている感をとことん減らす。 例:ウーバー、ワンクリック購入、ゼロクリックサブスク更新 CBDC ・民間銀行の流動性を奪う "決済の未来をめぐる競争はすでにはじまっており、誰しもビリにはなりたくない。中央銀行は主導権を握りたいし、銀行は利益を上げたいし、テクノロジー企業は成長したいと願っている" 航空会社のロイヤリティプログラム(マイル) ・必要マイル数を増やしてインフレ→航空会社の負債をなくす ・失効済ポイント=丸儲け ・顧客はプログラムを続けるか、やめるかの二択しかない ・マイルはクローズドな通貨システム EU : 数多の規制、規制当局が多過ぎて銀行は決済ビジネスの開拓に苦労。 決済の元締めは武器になる。 金融制裁、スウィフトからの締め出し 決済ができない→お金のやり取りができない→ビジネスができない→経済の停滞 基軸通貨ドルの"強さ"
全体としては、決済をめぐる銀行、テック企業、国家、地下経済、先進国、途上国、等々のそれぞれの事情やせめぎあいがあることが具体的な例でもって示され興味深い。そうした中で各国(特にヨーロッパ)の銀行が置かれている苦境とか、米ドルの覇権について書かれたⅦ部が特に面白かった。ただ、Ⅳ~Ⅵ部はややこしくて話に...続きを読むついていくのが難しかった。
かなり骨太な内容だった 2.決済の歴史 3.決済の地理学 4.決済の経済学 は面白い 思えば昔より現金を使う機会が減っている クレカ、○○ペイなど 数十年後には現金の消滅もあり得るか?
決済とは何か?をまとめた本。400ページ強と多く、専門的な内容も多かったため、読み切るのにかなり苦労した。理解出来た部分は少なかったものの 、序章の決済の仕組み、考え方は分かりやすく、この部分だけでも理解が進んでとても良かった。
世界の仕組みを少し知った気になれ、誰かに話したくなる話が多い。この本に限った話ではないけど、邦訳で教養としてのって付けたのは余計。浅く見えるからこういうタイトル早く廃れてほしい。
特に国をまたぐ取引について説明されている。 真正面から説明されているように思うので、知らない分野については分かりやすいとは言いづらいものの調べながら読める範囲か。
日々行われている決済の裏側は壮大な世界と様々な思惑があることがわかった。 仕事で海外送金することがあるのでSWIFTの成立ちや信用状の面倒さは納得。 支払方法は国ごとに好みが異なることは興味深い。 そもそも決済とは、 負債を免除する方法。 決済の特性は、 リスク、流動性、慣習により影響を受ける。...続きを読む 非接触型、無摩擦決済は支払の心理的ハードルを下げるもしくは無くしてしまう。 決済の意味するもの、 現金という現物からデータへ移行することで勝者総取りの可能性がでてきた。 決済データ、技術は安全保障上武器にもなる。 決済方法の進化を見ると決済データが巨大テック企業に一極集中することは危うい。 他国の決済サービスに依存することは安全保障上の脅威となりデータを握るものがすべてを手にすることにも。 決済データまでもがSNS同様ソーシャルなものになることは一抹の不安を感じ、暗号通貨がリアル通貨に取って代わる時、国家はどうなるのだろうか。
強烈な内容量を持った本である。貨幣の起源に始まり、1950年代アメリカに始まる決済方法変遷の歴史とその仕組み、国ごとの決済習慣とそれらをネットワークする国際決済の仕組み、デジタル通貨をめぐる巨大テック企業や中央銀行の野望…あまりにトピックが豊富すぎて、一度で全てを消化するのが難しい。一番効率の良い...続きを読むのは、日常で疑問が生じた都度、当該部分を参照するという読み方になろうが、索引がついていないのと、書き振りが冗長なので辞書的な使用がしにくいのが残念。 ともあれ本書を読むにつけ感じるのは「国家のような権力主体が決済システム(≒通貨、金融)を成立させるのではなく、決済システムこそがそれを持つ主体に権力を生じさせるのだ」ということ。だとすると、巷間かまびすしい暗号通貨についてユーフォリックな一部の層が抱く「非中央集権国家的金融システムの可能性」という陶酔に、明白な定義矛盾が含まれていることになる。今次の仮想通貨取引所FTXをめぐる騒動を見ても、一部の人間に権力が集中しガバナンスも機能しなかったことが問題の核心であったことがわかる。やはり通貨、ひいては決済それ自体が必然的に権力を内包するシステムなのであり、権力を伴わない通貨などあり得ないということなのだろう。
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教養としての決済
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