作品一覧 2023/02/22更新 人権と国家 理念の力と国際政治の現実 試し読み フォロー 独裁が崩れるとき 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> 筒井清輝の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 人権と国家 理念の力と国際政治の現実 筒井清輝 普遍的人権という国家にとって厄介とも言える存在がどうしてここまで発展したのか?また、どのように発展したのか、理解をするための本として良い。国家同士の批判の道具として、また国民への戦争や自国の行為の正当性を高めるために使った結果、想定外の価値を高めてしまった人権。 しかし、それは今後なくてはならない発...続きを読む展であったのも事実。また、限定的な対象者の為の自然権が広まっていた頃に比べて、普遍的人権が広まった今、その実効性はどの程度あるのか、という疑問に対して大きな人権侵害における影響力は低く、小さな人権侵害には効果が高いという結果であった。また、形として高い効果がなくとも、その反対運動のきっかけとなったり、周りにその事実を知らしめることが出来たり等、普遍的人権という存在の大きさを知った。一方で、大国の力は大きく、ある国が批判をしたところで、経済制裁をした所で、武力行使をした所で、そう簡単に変わらない伝統や文化、考え方があることを心に留めて置かなければならない。必要なのは国際的協力の上での、その国に寄り添う形や、妥協をする形での交渉である。 普遍的人権が発展した大きな理由は、それぞれの国家が利益を求めようとした姿勢である。それらが生み出した誤算が普遍的人権である。皮肉にも、それに縛られるようになった国際社会は、今後よりこの人権に縛られるようになるだろう。 Posted by ブクログ 人権と国家 理念の力と国際政治の現実 筒井清輝 人権という規範がどのように広まり、国家の主権を乗り越えるまでにいたったかを丁寧に紐解く良書。ポピュリズムが蔓延る現代も、人権という規範が弱まることはないので、悲観的にはならずに、それぞれが人権力を磨き続けることの重要性を説く。 Posted by ブクログ 人権と国家 理念の力と国際政治の現実 筒井清輝 人権について基本的なところから考えてみたいと思っていたところに良いテキストが出版された。 とても勉強になった。 1人権理念や制度はいつ生まれたものなのか? 2なぜ国家は自らの権力を制約する人権システムの発展を許したのか? 3国際人権システムは世界中での人権の実践の向上にどの程度貢献したのか...続きを読む? 4日本は国際人権とどのように関わり合ってきたのか? という4つの問いを考える形で人権と国家の関係について論じている。 「理念の力と国際政治の現実」がサブタイトルだが、やはり理念と現実のせめぎ合いなのだな。 知らなかった事実も多い。まだまだ勉強しなくては。 Posted by ブクログ 人権と国家 理念の力と国際政治の現実 筒井清輝 タイトルには構えてしまいがちだが、非常にわかりやすく、歴史的な経緯、事実を踏まえて、現代社会においてどのような問題があるのか?その問題がどのように取り組まれているのかがわかりやすく解説してある。 改めて、「人権」という少し距離の感じる言葉、概念を自分事として考えることが出来るようになった。 Posted by ブクログ 人権と国家 理念の力と国際政治の現実 筒井清輝 このタイミングでこの書籍が刊行されるか。 21日に発売された岩波新書の新刊。ロシア、中国が…というたらればの記載が随所に見受けられるが、それがこのタイミングで現実になるとは。 まだ途中ではあるが、国際社会の中で、大国が主導を握るために半ば政治利用し、その中で育まれてきた人権という概念を知ることが...続きを読むできるし、とてもよくまとまっているので、今読むべき一冊だと思います。 今日テレビの解説の中でソ連解体後、共に民主化を目指したロシアとウクライナ。その行き着いた先が専制政治と、ある種のポピュリズムとなっている可能性を踏まえ今後の民主主義が試されているという指摘には、歴史の皮肉さを踏まえ共に深く考えさせられるものがあった。 Posted by ブクログ 筒井清輝のレビューをもっと見る