朝田千惠の作品一覧

「朝田千惠」の「氷の城」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 氷の城
    3.7
    1巻2,534円 (税込)
    私はこの誓いを絶対に忘れない。 雪に閉ざされたノルウェーの田舎町。11歳の少女シスの通う学校に、同じ年の少女ウンが転入してくる。ためらいがちに距離を詰め、運命の絆で結ばれたふたりの少女が、それぞれの思いを胸に、森深くの滝の麓につくられた神秘的な〈氷の城〉を目指す……類稀な研ぎ澄まされた文体により、魂の交歓、孤独、喪失からの再生を、幻想的・象徴的に描き上げたヴェーソスの代表作。 凛とした切なさを湛えた、出会いと別れの物語。 【英ペンギン・クラシックス収録の20世紀世界文学の名作】 【1965年度北欧理事会文学賞受賞作】 記憶に残る〈映画の名セリフ〉をイラストレーションとともに紹介する本シリーズは、「キネマ旬報」で1973年から23年のあいだ断続的に連載され、全7巻の単行本にまとまり長年映画ファンに愛されてきた。各巻に書き下ろしエッセイを掲載した栞を付す。

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  • 氷の城

    Posted by ブクログ

    決して難しくは無いけれど、描かれている世界に自分から踏み込んでゆかないと、よくわからないままに読み終わってしまうような作品。どれほどの寒さで、どれほどの硬さで、どれほどの美しさで、どれほどの巨大さなのか、想像を超えるような氷の城。その城の魔力に人も鳥も惹きつけられて意思も自由も失ってしまう。ノルウェーにはきっと、本当にそんな寒さが有り、そんな氷の城があるのだとおもいながら読んだ。少女たちの心や周囲の人々の思いを頑張って追いかけながら読んだので、読後は、しっかり文学を読み終えた気がした。決して説き明かされないなにかを周辺からとにかく描いて描いていくこれは、やはり文学作品なのだろう。

    0
    2024年05月27日
  • 氷の城

    Posted by ブクログ

    11歳の少女、シスとウン

    親密な友となった翌日にひとりは氷の城へ閉じ込められ、
    もう一人は自身のなかへ引きこもる

    寒い寒いノルウェーの物語

    新しい物語だと思っていたら’63年の作品だった
    いま再評価されてるのも納得

    著者はあとがきで「…心で感じることしかないものもあっていいのだ…」と。
    本を読むことに近道してはいけないのだ。
    著者は読者を信じて物語を託しているから。

    0
    2024年03月16日
  • 氷の城

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「白く若い額が暗闇を突き進んでいく。十一歳の少女。シス。」
    こんな書き出し引き込まれちゃうな。
    ファンタジー作品かと思って読んだのでちょっと残念ではあったものの。
    あらすじを雑に書くと「憧れの大好きな子が亡くなったという経験をした主人公が少しずつ立ち直る話」なんだけど、そこまでの道のりが丁寧に静かに、時に冬の風みたく鋭く、氷の中を覗くようにどこか幻想的に描かれています。
    大人になりかけだけどまだまだ子供の十一歳の世界は広いようで狭い。シスはクラスの中心にいるような女の子で、ウンは一匹狼の孤高の人。シスはそんな気高く見えるウンが気になって仕方がない。あるあるですね。
    読みやすいけれど微妙にとっつ

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    2024年01月14日
  • 氷の城

    Posted by ブクログ

    ノルウェイの田舎町を舞台とした小説。寒くて暗い冬という北欧らしさのある作品である。11歳の少女シスが通う学校に少女ウンが転校する。シスはウンと仲良くなっていくが、ある日、ウンは姿を消してしまう。森の幻想的な自然描写の中で物語が進むため、事実と想像の境界が不明瞭である。

    とはいえ、客観的な事実というものも傲慢に過ぎないものかもしれない。自分達が事実と認識しているから事実であり、空想物もあると知覚しているならば、その人にとって事実と異ならないと言えるかもしれない。事実は他の人も近くできるものという点が異なるが、それならば事実は客観的に存在するものではなく、皆が認めるものになってしまう。

    シスは

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    2022年05月23日
  • 氷の城

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    北欧ノルウェーの凍てつく冬、11歳の少女2人の儚い友情の物語。
    シスは転校生・ウンと仲良くなるがある日彼女は忽然と姿を消してしまう。

    冬のある朝、1人の少女が登校中に姿を消す。捜索をしても見つからない恐怖と諦め。その前日に会っていた
    少女の誰も救えない後悔と喪失がひしひしと伝わってきます。

    この物語の根幹は、その雄大で容赦ない自然でしょうか。1人の少女が導かれるように
    その冬の氷による自然の煌めきの奥へ奥へと進んでしまい、神様に隠されてしまう。
    読んでいて久々に自然への畏怖を覚えました。自然は怖いという当たり前のこと。

    最近は「正しく怖がる」という考えが広まり、自然もそのひとつとなってき

    0
    2022年04月07日

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