作品一覧

  • テヘランでロリータを読む

    Posted by ブクログ

    激動のイランを冷静に見つめた記録。
    そして女というだけで抑圧されながら文学を手に自分らしく生きる道を模索する筆者とその生徒たちの記録。
    ページを捲れば捲るほどイランが暗黒の道へと進んでいく。
    その延長線上にあるのが今のイランなのだ。
    今、イランで女性たちが命を懸けて声を上げているのはこの作品で触れられるような数々の女性への酷い仕打ちの積み重ねであることが痛いほどわかる。
    胸が張り裂けそうだった。

    でも今このタイミングで読んで良かった。
    イランを知るために映画を観るのも勿論良いけどこの本から始めても良いのでは。
    私はこの本を強く推したい。
    あと文学批評本としても完成度がとても高いのでそういった

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    2023年07月09日
  • テヘランでロリータを読む

    Posted by ブクログ

    とても長いので時間はかかったが、読み終わることができた。不思議と挫折しようとは思わなかった点が、この本の素晴らしい点だと思う。改めて、文学が持つ力を教えてくれた。さらには、想像がつかなかったイランという国、ひいてはイスラム教という宗教も教えてくれた。様々な文学作品が筆者に染み込んでいる様が、とても美しく、また健気だと感じた。

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    2023年05月08日
  • テヘランでロリータを読む

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    ネタバレ

    革命後のテヘランでは『ロリータ』を含めて文学を読むことは大きな困難を伴った

    1995年の秋、勤め先の大学を辞めた著者は、優秀で勉強熱心な女子を選び、読書会を催すという夢を実現する。「作品の選定基準のひとつは、作者が文学の決定的な力、ほとんど魔術的な力を信じていること」(P35)

    ロリータ
    ギャツビー
    ジェイムズ(主に『デイジー・ミラー』と『ワシントン・スクエア』)
    オースティン(『高慢と偏見』)

    を取り上げつつ、自身と周囲の環境や想いを作品と重ね合わせ血肉にしていく。

    最初から最後まで体制に命が特に女性の命が軽く扱われ煩悶するばかりの中、著者や学生が閉じられた場所といえども文学に触れ討

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    2023年04月18日
  • テヘランでロリータを読む

    Posted by ブクログ

    西加奈子さんのiでミナが想像するってこと、で触れていて気になった本、あとがきもよかった

    深くて重くて、全然消化しきれなかったけど想像力の世界が持つ力についての言及は一貫しているなって思った。政治がそれらに関与するのは最も囚われているから、みたいな描写はそうだよなあと思った、私たちには力がある

    読んでいて何度も涙が溢れそうになって、ピンときた箇所でもメモしておけなかったところも沢山ある、一周じゃこの本を5%も味わえた気がしない(それでも読んでよかったとなるのだけど)

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    2022年11月24日
  • テヘランでロリータを読む

    Posted by ブクログ

    イラン革命直後に母国のイランに戻った著者が、大学の教え子で優秀な6人の女性と秘密の読書会を行う。
    著者はテヘラン大学で教鞭を取ったが、ヴェールを着用することを拒み追放されてしまう。
    女性の価値が男性の半分以下ともされ、美人ということだけで逮捕され処刑されてしまうような社会で、文学を学ぶ意義を問う。本書で取り上げられる『ロリータ』『傲慢と偏見』などタイトルだけは知っている著書が多かったですが、政府側とすれば規制したいような内容なのだと思う。その中に彼女らは何を見出したのか。

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    2021年12月12日

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