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Posted by ブクログ
☆3.8
しがない小説家である私は気のりのしない宴会で、私によく似た一人の青年の澤田瞬と出会った。
意気投合し文学の話をする中、自らが敬愛する知る人ぞ知る幻想小説家の沢渡晶が瞬の伯母だと知る。
彼女の未発表作品を読ませてもらったりと交流を重ねるうち、沢渡晶が住んでいた屋敷とささやかな「王国」のことや、瞬の人生をも知るようになっていく。
自らの人生や夫婦関係を振り返りながら、創作や虚構、物語を語ることの抜け出せぬ深みにはまってゆく。
三人の作家の虚実が入り乱れ絡まり合い、分かち難くなった先には何があるだろうか……
沢渡晶という幻想小説家に大きな愛を向けたくなる。
作中作がこうまでたくさん出て