2024年1冊目。
長編北欧ミステリということで、期待して読み始めました。
第一部は振り回され系刑事なカールに共感しつつ、事件発覚→捜査→また事件→進まない捜査の繰り返しにやや冗長さを感じる。
刑事メンバーの掘り下げはやや中途半端で、単純にキャラクター紹介としての説明文になっていたのが残念。
第二
...続きを読む部のアレクサンドラパートは「親から受けた教育の犠牲者」である彼女、「毒親の連鎖」の問題提起、記憶を失っている描写から信用できない語り手であること、もうひとりの犯人の存在などなどてんこ盛り。
もうひとりの犯人は「整形手術」「警察関係者」のキーワードからわりと早い段階で予想できてしまった。
シーモンとジョディの凸凹コンビが後半にすすむにつれ空気→シーモンがあまりにも小物のまま終わったのが惜しい。
作者の描きたいこと全部のせで、ひとつひとつのテーマが薄まってしまった印象でした。
個人的にはカールにもっと主人公級の活躍をしてほしかったな…
比較するのは無粋かもしれませんが、ピエール・ルメートルやピーター・スワンソンの鮮やかさを改めて実感しました。