題名からして、“おび”からして、それはもう感じていました。
サイエンス・フィクション(SF)では、論理的でありながら感覚的に読むことが求められる。
これはもうはなっから「情緒的」に読みこなすことが求められる。
これはもはや「観念的」に読んでいかないと、いちいち止まってしまいそうになる。
そんなペ
...続きを読むースで進めていくうちに、例えば、秦の始皇帝の後継問題や、清朝乾隆帝期におけるヨーロッパを含めた周辺国の朝貢関係のような背景を、理解し始める。
そうなると、主人公たちのハラハラドキドキな冒険活劇が面白くなるって、下巻はあっという間に終了。
記憶と記録
記録とは単にあったことでそれ以上でも以下でもないが、何を残しておくかによって作為が生じる。
記憶とは過去にあったことと誤解をさせる脳の娯楽で、自己憐憫とともに自己肯定への欲望に用いる。
他人の記録をスキルの継承の目的で脳に植え込むことと、不老不死にこだわり狂う始皇帝の欲望を併せた物語……