本に手紙をはさんで文通ということで、以前に原書で読んだWords in Deep Blue(未訳)というYAを思いだしたけど、それよりもずっと、そういう形でしか手紙をやりとりできないという状況に真実味があってよかった。環境の異常さがちらちらと顔をのぞかせる前半は、文通のなかの「恋のかけひき」みたいな
...続きを読む部分がわたしのテイストからすると少し過剰で、気持ちがそがれるところもあったが、さまざまなことが明らかになっていく後半は一気読み。
『わたしを離さないで』を思いだした人も多いようで、それも納得だけれど、比べてどうこうということではなく、これはこれとして面白かった。ネタは案外古風で、むしろ『カッコーの巣の上で』を想起させる? でもYAらしい明るい結末に救いがあってよかった。
それにしてもなあ……親……。こわい。